第六章☆嫉妬
第六章☆嫉妬
「おい、よしこ」
圭一叔父さんが声をかけた。
「なあに?」
よしこ叔母ちゃんは左手の薬指にはめたルビーの指輪をためつすがめつ眺め続けている。
「夕飯の準備は?」
「あっ!忘れてたわ」
「たいがいにしてくれよ」
「そうね」
上の空のよしこに圭一はキレた。
無言で床の間の細工の施されたナイフを手に取ると、よしこの背後に迫った。
「きゃー、だめ!圭一叔父さん、だめぇ!」
美咲がそう叫ぶと、圭一叔父さんはナイフを取り落として、その場に崩れるように座り込んだ。
さすがによしこも何が起きたのか理解した。
「よしこ叔母ちゃん、ちゃんと圭一叔父さんのこと見ててあげなきゃ指輪に嫉妬して殺されるところだったのよ」
「私…。あなたごめんなさい私、どうかしてた」
「その指輪を!処分してくれよ。俺の気が変になる前に!」
すると、デルムントが札束を大量に彼らの前に置いた。
「多分、時価より多めの金額です」
よしこは逡巡したが、ルビーの指輪を指から外すと、デルムントに渡した。
「美咲。この時空の未来でよしこさんは生き返ったよ」
「本当?」
「そしてこの指輪は、よしこさんの子どもが生まれたらその子に行くようにうまく取り計らうからね」
「うん!…だけど、私はサファイアの指輪持っててもいいのかな」
「あれは君に所有権がある」
美咲はにっこり微笑んだ。
「よしこ叔母ちゃーん!」
「よく来たね美咲ちゃん」
「赤ちゃん見せて」
「まだあんまり可愛くないわよ」
「あとから可愛くなるの?」
「まあね」
どうやってデルムントはこの子にルビーの指輪を託すのかな?美咲はわくわくした。これからそれを側で見られるはずだ。そして自分も大人になって子どもを産んだらその子にサファイアの指輪をあげようと思った。




