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第二章☆デルムント
第二章☆デルムント
豪華客船のカジノでポーカーをしてバカ勝ちしている男がいた。
白い燕尾服、白いシルクハット。服の裾には様々な小石が縫い取られていた。
「次の手は?」
デルムントが聞くと、石の精霊たちが全部教えてくれる。
カジノ側は、これ以上勝たれると困るのでアタッシュケースに札束を詰めてデルムントの前に積んだ。
「まだ勝ち足りないけど、このくらいにしておくよ」
余裕しゃくしゃくでそう言ってデルムントはアタッシュケースを抱えて立ち上がった。
夜の暗い船橋でカジノのまわし者たちがデルムントを取り囲んだ。
「そいつをおとなしく渡してもらおうか?」
「アタッシュケースかい?中身がないけどいるかい?」
「アタッシュケースだけいるわけないだろう!金はどこへやった?」
「四次元ポケット」
「ふざけるな!」
「ふざけてないよ。俺もすぐ失敬するからね」
「このイカサマ野郎!」
「心外だなぁ」
口の端を片方上げて、すうっと姿を消した。
男たちはいくら探してもデルムントを見つけることができなかった。あとに空っぽのアタッシュケースが残された。
上の者に報告するときに、デルムントは海へ落ちたと言うしかなかった。




