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(´・ω・`)


 1番最初に食べ始め、1番最後に食べ終わる女、レイ。そして何事もなかったかのように語りだす。


「ん。依頼に来た。魔力草の納品。」

「え、自分達で取りにいけば良くない?ゼルさん上級悪魔でしょ。」

「ダンジョンは、ギルドの管轄区域。」

「あっ、冒険者登録しないと入れないんだった。レイは職人カードだし。それなら、ゼルさんギルドカード作っちゃう?」


「う、うむ。」


 成り行きで、冒険者になれるようだ。


「どうするの?ゼル、たしか悪魔は、あのカードは発行出来ない。」


「ふ。無用な心配だ。(初級)魔法を極めた我には、偽装は、簡単だ。」


「はい、これに手を載せてね。」


 言われるまま、魔道具に手を乗せた状態で、ジーニャさんが、横のレバーをくるくると回すと、薄っぺらいカードが出てきた。悪魔では無いから発行されて当然なのだが、この魔道具は、カードダスだよ?これ。


 ギルドカードを獲得した。


「ふむ。問題無いようだな。さっそく、魔力草を採取にいくか。」


「ゼルさん、カード見せてー、うわっ凄い。凄いよ、レイ。」

「ん。本当だ。」


「ふ、ふむ。参考までにどう凄いのかな?」


「完璧な偽装。この魔道具で偽装されたのは初めて見た。ちょっと、攻撃力見てよレイ、これ一般人以下だよ。ウケる。上級悪魔なのに、初級魔法しか使えないとか、ゼルさん、偽装しすぎっ。」

「これが、古代の叡智。」


「ははは。」


 くぅ、偽装なんてしていない。出来ないし、それが、素の能力値なんだぁぁぁ。



 魔力草は、ダンジョンの中に生える魔力をたっぷりと吸収した草らしい。ダンジョンの中には割とどこにでも生えているらしいが、テイマーが、エサに使うぐらいで、特に役に立たないとされている。

 この魔力草が、レーションの主な原料になる。この草から、魔力だけを抽出して、樹液で固めて、添加剤を加えて反応させる事で、回復薬になるらしい。


 採取クエスト開始。


 ダンジョンの入口に、門があり、手続きをして入る。ダンジョンの管理しているとの名目で、入場料をギルドが掠めていた。

 受付のお兄さんが、心配そうな目で見てくる。


「随分と、軽装だな。ここは、お嬢さんの来るような場所じゃない。だいたい、そんな装備で大丈夫か?」


「ん、私のラプラスを舐めないで。」


「というか、着ぐるみ男。そんな装備で大丈夫か?」


「1番いいのを頼む。」


「ゼル?その装備が、1番いい。」


「いや、レイ。これは、お約束だから、2回もふられてスルーするのはムリだから。」


「いちゃいちゃしやがって。ダンジョンで死ねばいいのに。」


 温かく、ダンジョン管理のギルド職員に、お見送りされて、ダンジョンの攻略は始まった。


 魔導バイクにまたがる。安心感が半端ない。レイが後ろに乗って、腰に手を回してくる。なぜ勇者は歩いてダンジョンを攻略するのか理解に苦しむ。


 ドルン、ドッドッドッドッ。


 ぐぉぉん。目的地まで、あっとういう間だぜ。突如始まる惨劇。


 ドンッ!


 油断していた緑のゴブリンを、バリアで轢殺ぅぅ。まずは、1匹。何がなんだか分からないまま、死ねっ。


 こちらに、気付き魔法を唱えようとした小賢しいゴブリンが現れた。シャーマンゴブリンだ。放たれるファイヤーボールは、なかなかに、厄介だ。ぶつぶつと危険な呪文を呟いている。


 だが、遅い。


 ドン!


 お喋りは、そこまでだ。ここまで早く動く冒険者など見た事が無かったのだろう。驚愕の表情で、魔法の完成を待たず、永遠に沈黙する。


 目の前をフラフラと歩く薄汚れた人影。リビングデッドか?まぁいい。貴様も沈黙しろっ。


 しかし、ゼルの意識を無視して、ぐぉんと、オートドライブで緊急回避した。助かる人影。

 すれ違い際に、恐怖に震えている冒険者の顔が視界に入った。ふーっ、危ない。危ない。紛らわしい。


 よそ見をしていたら、衝撃音と悲鳴。


「ぐぎゃぁぁ」


 今度は、本物のリビングデッドらしい。脚を潰され、死に損ないになるリビングデッド。

 この魔導バイク、バックもついてるんだぜ。キッチリ死にさらせやぁ。バックして、グッチョリ、止めをさす。


 気を取り直して前進。凄まじい速度で、ダンジョンを制圧していく。


 レベルアップにより湧き上がる全能感。血が沸騰する、己が書き換わる、快感の渦に身を委ね、人はいつしか怪物になる。



 よしっ、地下2階への侵略を開始する。最速タイムを叩き出して次の階層へ降りる。


 レイが何か話しかけてくるが良く聞こえない。というか、アニメの戦闘シーンで、よく、べらべら話してるが、そんなの無理だろ。話してる時間があったら、殺せ、殺せ。


 さらに、ゴブリンを3体を血祭りにあげ、血を求めてダンジョンを疾走する。目的地は、この先のセーフティポイントに大量生えている魔力草だ。


 キラーウルフを発見っ。


 早そうだな。だが、俺の方がもっと早い。ほら、避けれないだろ。


 ドンッ!

「ギャイン!」


 強くなると、一撃では倒せないらしい。しかし、抜かりは無い。バイクをスライドさせて、後輪で轢き殺す。


 ギャリリリッ


 今までたくさん喰ってきたんだろ?だから喰われても文句無いよな。よしっ、光になって消えていくキラーウルフ。幻想的な命の光だ。


 ドロップしたアイテムは何1つ拾えなかったが、目的地には到着した。徒歩にも意味はあるようだ。


 青く輝くクリスタルのあるその場所は、セーフティポイントと呼ばれ、モンスターが湧かないらしい。その足元は、一面に、青々とした魔力草が生えていて、僅かな風に揺れていた。



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