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Link to Link  作者: lest
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1章:初夜

「――情報は今送った通りだ。幸運を祈るよ。」

「あぁ。」


その男―ディープ・アラウンドは―電話越しに誰かと話していた。


「どうだ、この仕事が終わったらひとつ良いものでも食べに行かないか?」

「必要無い。」

ディープは電話越しの男の誘いに即答し、電話を切り、黒いコートに手を通し姿を隠すようにフードをかぶり、高くそびえるビルの中に入って行った。



―Link to Link―



「情報の通り警備が薄い…。ここから最上階までのエレベーターは…ここか。」


彼がいる場所はとある会社のビルの中。この会社は先日に不祥事が発覚した。

ディープの仕事は始末屋。彼はこの不祥事に関わった取引先の会社に、自分達の会社が関わったという証拠を始末するよう依頼された。


彼は渡された情報を使い、上手く警備の目をかいくぐり進んでいた。しかし、ディープの足取りは止まった。


「あの二人、どうしても離れないな…」今、ディープが乗ろうとしているエレベーターの前には二人の警備員がおり、そこから離れなかった。

始末屋として、自らの存在を表向きに知られてはならない彼にとって一つの接触とはいえ避けなければ行けなかった。


「…仕方ない…。」


そう言うと、彼はふところから何かを取り出し、エレベーターの方に投げた。すると、それが大きな光と音をだして爆発した。

「な、何だこれは!?」

「目が!?」

強烈な光と音により二人の警備員はその場にうずくまった。その隙にディープは、エレベーターに乗った。

「…しかし思った以上の音だな…。あいつ、余計に強く作りやがって。これじゃあ他の奴らにばれるだろ。」

彼は軽く舌打ちをした。

「…まぁ、

「俺がやった」ていう証拠さえ残さなきゃ大丈夫か。」

―彼を乗せたエレベーターは最上階にたどり着いた。彼は辺りを見回し資料室を見つけると、すぐさま入って行った。



「……あった。」

彼が資料室に入って十分。彼は例の不正の記録を見つけた。

なんとそこにはこの不祥事に無関係のはずの組織の名前が載っていた。


「これは…マフィアか…。」

本来なんら関係無いマフィアの名前が載っていたことに少し驚いた。

「まぁ、俺には関係無いな。」


彼はそう言うと用意してあったディスクにそのデータをコピーし、同時に持っていたコンピュータウィルスで会社全体のデータごと消去した。


「これで終わり…だな。急ごう。警備が固くなる前に。」


彼は急いでエレベーターに乗った。そして、一階のボタンを押したところで一息着いた。


(後はこのデータを依頼者に渡すだけ…だな。

…帰りに渡しに行けばいいか…。)


彼はゆっくりとまばたきをし、エレベーターが一階ついた時点で降りた。

しかし、一階のエントランスには多くの人間がエレベーターの周りを囲んでいた。彼は小さくため息をつき、言い放った。

「誰だ?お前ら?」

しかしディープは、彼らが答える前に気付いた。


「お前ら…今回の不正に関わっていたマフィアか。」

「ほう、よく知ってるなぁ。その通りだ。俺らはそのマフィアのもんだ。」

「この件の後始末か…。それにしてはちょっと大勢すぎないか?」

ディープの問いに一言と答えた。

「報復だよ。」

「ほう…?」

「今回の事はこいつらのおかげで失敗した。だから後始末をした後に関わった社員全員を殺してやんのさ。」

「それは大層な事だ。好きにやればいいさ。」


ディープがその場を離れようとするとさっきまで話してた男に呼び止められた。

「待てや!!お前この会社のデータ消しただろ?」

「ああ、これでお前達が楽になったろ?」

「そん時お前、不正のデータをコピーしてたろ?

監視室から見てたぞ。」

「ああ。」ディープはあっさり答えた。

「渡せ!!それにはまだ我々の不正の証拠が残ってるんだ!」


男の強い物言いに対して、ディープは全く動揺せず答えた。

「断る。」

「!?」

「安心しろ、俺はこれを依頼人に渡すだけだ。警察に渡すなんてことはしない。元々俺には関係の無い話しだ。」

「そうか…」

ディープがその場を立ち去ろうとした。その時、周りの男達が四方八方からディープに向かって銃を放った。その銃弾は無惨にも彼の体を貫き、彼はその場で塞ぎこんだ。

「でも依頼人のほうがこれを使って脅して来るかも知れないだろ。」

近ずきながら男が言った。そして彼に向けて銃を構えた。

「悪いが死んでもらおう。何より、我々のことを知られたのだからな。」


「じゃあ次はもっと上手く狙え。」

「!!!!」

男達は、背後から聞こえた声に驚き振り向いた。

「ば、バカな!?」

「自分の仲間のことぐらい、ちゃんと見てやれよ。」

男達は再び振り返った。そこには男達の仲間の一人が体から血を流しながら倒れていた。

「何故だ!?」

「何故って、お前達が銃を構えたからな、とっさにそいつと入れ替わったのさ。」

「そんな一瞬で!?不可能だ!!」

その反応にディープはため息をついた。

「可能だからこうなってるんだろ?」

男達は愕然とし、銃を向けることさえ忘れてた。「それと…、本当は見逃そうと思ったがやめた。そっちが仕掛けて来たしな。」

「なっ!?」

「始末させて貰うぞ…。」

短い沈黙の後、男達は大きな声を上げながら笑いだした。

「お前一人で俺達全員を始末する気か!?五十を越える人間を相手にか!?不可能だ!!」

「……」

「さっきはまぐれで避けたようだが、今度はそうはいかんぞ!死ねぇ!!!!」

先程より多くの銃弾が彼を襲った。それらの銃弾が彼の体を貫いたように見えた。

しかし、そこにあったのは彼の着ていたコートだけだった。

「チッ、またか!?」

「学習能力が無いな。俺に銃弾は当たらん。」

男達は背後からの声に驚き、振り向いた。その時、一人の男が突然震えだした。

「どうした!?」

「さ、さっきまではコートのせいで分からなかったが……、蒼い髪に蒼い瞳……お前、まさか蒼神!?」

「ほう、俺はそう呼ばれてるのか。」

「何なんだ、蒼神って!?」

「噂程度だがこいつは…百人の武装した男達を相手に一人で立ち向かい倒したらしい…。」

この話しを聞き、数人の男達もディープに恐怖を抱き始めた。しかし、先程までディープと話していた男は再び笑い、真剣な表情に戻った。

「怯えるな!!あくまで噂だ。確かにこいつは凄いがよく見ろ!黒い瞳だ。噂の奴は蒼い瞳なんだろ?」

「あぁ、そうだ。」

「さっきはあまりの凄さに見間違えたんだろう。」

「そ、そうか、見間違えか。」

「そうゆう訳だ。さっさと…」

「見間違えじゃないさ。」

男達が話している間に、一瞬で群集の中に移動した。

「じ、じゃあ今は何で黒い瞳なんだ!?」

ディープはまぶたを閉じ、答えた。


「俺の瞳…普段は黒い瞳だ。…だが、戦闘時などに自らの感情の高ぶりにより、瞳の色が…」

ディープは瞳を大きく見開いた。

「蒼く変色する。」

ディープの深く黒い瞳は蒼く澄んだ瞳に変色した。

男はその場で腰が抜けたように倒れ後ずさりした。

「こ、殺せ!!撃ち殺せ!!!」

男は叫び、その叫びに応じるように他の男達もディープに銃を向けた。しかしディープは全く動揺しなかった。

「さすがにこの距離で銃弾をかわすのは辛いな…。だがここで引き金を弾いたって全ての銃弾が俺に当たるわけじゃない。仲間内で自滅する気か。」

男達は引き金を引くことをためらった。

「構うな!!とっとと撃て!!」

大声を放った男に他の男達の意識がいった。その瞬間、ディープは相手の隙をつき近くにいた二人の男を腰にたずさえた二本の刀で斬りつけた。「う、撃て!!」

一瞬ためらいながらも男達は引き金を引いた。しかし、ためらいのこもった銃弾をかわすことはディープにとっては容易く、ディープが避けた銃弾は数人の男に当たった。

「なっ…!」

ディープは男達の背後に降り立ち手にしていた刀を地面に刺し、髪をかきあげた。

「マフィアならそういう世界で生きてるんだ…。死ぬ覚悟ぐらいあるな…?」

ディープは再び刀を手にし、構え、そして彼らを睨みつけた。

「か、かかれ!!」

銃を手にした男、刃物のを手にした男など五十人ほどの男が一斉に襲いかかってきた。しかしディープは男達の攻撃をかわし、すれ違いざまに敵を斬り伏せて行く。弾丸を避けることの出来るディープにとってそれは簡単なことだった。

「何をもたもたしてる!!誰一人そいつを殺せねぇのか!?」

男は叫ぶ。

だがその叫びとは裏腹に、仲間が一人、また一人倒されて行く。逃げ出そうとする者もいたがディープは一瞬でその者の前に立ち斬り伏せ誰一人見逃さなかった。

「あ…、あぁ……。」

男は悟った。ディープにケンカ売ったことが間違えだということに。男ははえずりながらここから抜け出そうとした。幸いディープに存在を気付かれてない。男はビルの入り口の自動ドアまで這いつくばって進んだ。ディープは未だに男には目もくれず、他の男達を倒していった。

男はようやく自動ドアの前に着き逃げ出そうとした。しかし、男がいくら近づこうとも、ドアは開かれなかった。

「ば、バカな!?どうして開かない?!」

「どうやら、運までお前を見離したらしいな。」

男が振り返ると、仲間は一人残らず倒れ、ディープが彼の背後にいた。彼はディープから離れようとする。しかし、ディープは彼ののど元に刀をつきつけた。

「ヒィィ…!!」

「……死ぬのがそんなに怖いか?」

男からの返答は無かったが、彼が死を恐れているのは一目瞭然だった。

「……そんなに怖いなら生かしてやっても良いぞ。」

「なっ…?」

「死にたくないんだろ?だったらいいだろ。」

信じられないという顔をした男。しかし、ディープは本当に男を殺さず帰ろうとする。

「…本当に良いのか?」

「…何度も言わせるな。」

「そ、そうか…」

男はゆっくりと立ち上がる。

「じゃあ…お前が死ね!!!」

そう言い銃を放った。しかし、その銃弾はディープには当たらなかった。

「ふざけるな!!」

男は乱射する。だがディープはその全てを避ける。乱射するうち弾が無くなった。

「クソッ!!」

男は弾を補充しようとする。その一瞬、ディープは一瞬で彼の後ろに回り込み刃をのどにつきつけた。「なっ…!?」

「残念だが今度こそ終わりだ。」

「ま、待て!やめてくれ!!」

男はのど元につきつけられた刀に脅えきっていた。

「お前さっき生かしてくれるって言ったよな!?だから頼む!!」

「…あぁ、それか。」

ディープはのど元につきつけた刀を下ろし


―ズバッ―


「嘘に決まってるだろ。」

もう片方の刀で彼の首を落とした。それとほぼ同時に自動ドアが開いた。ディープは顔についた返り血を拭いビルを後にした。



―彼は自宅に着くとすぐベットに倒れこんだ。

(…今日は大分動いたな…。まだやることはあるが…まぁ良いか…)

ディープはまぶたを閉じ、深い眠りについた。

意味深なプロローグから早二ヶ月(かな?)

とうとう一章が完成しました!!o(^o^)o


正直なところ結構めんどくさかった(-_-;)

それでも辞めずにやったかいがあった!!(やったね♪d(⌒〇⌒)b♪)

これからも少しずつ更新します


皆さん、どうか長い目で見てやってください(o_ _)o








キャラクター紹介

No.1:ディープ・アラウンド


年齢:21歳


誕生日:10月31日


血液型:O型


身長:182cm


体重:68キロ


趣味:特になし


特技:特になし


好きな食べ物:パン


嫌いな食べ物:無し


性格:良い意味でも悪い意味でもさばさばしてる

それでいて二面性

普段は明るく、仕事はクールな感じに




今作の主人公。2章で分かるが彼は大学生である。

表の世界と裏の世界。

その二つの世界で生きる彼が沢山の人間と繋がりどう生きていくか…見物です!!

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