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三十一日目
カウンセリングを始めて カウンセリングを始めて三十一日目。
「ははは、また誕生日はこなかったよ」
そこには、僕の知っている彼女がいた。
「私との自由行動はどうだった?」
彼女は微笑む、いつものように。
その声色は、表情は、仕草は、今まで話してきた彼女そのものだった。
揺らぐ。
彼女を思い、僕が出した答えが、激しく揺れ動く。
これが転生、命をつなぐということ。
たしかに、周りから見たら同一人物だ。
――だが。
「違いますよ」
「ん?」
彼女は首を傾げた。
その仕草も知っている仕草だ。
だが違う、違うんだ。
「はじめまして、僕が今日から君の話し相手です。どうぞよろしくお願いします」
これが、僕の答えだ。
「そっか――うん、はじめまして」
そう言うと、彼女は、嬉しそうに微笑んだ。
不老不死の彼女の質問、終わり




