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空翔ぶ鳥に
春うららの昼下がり
鳥は翼をはためかせ
あの広い天を駆ける
自由な天を翔ぶ鳥に
伸ばした手は届かずに
宙をつかんで拳握る
この世界を天とするならば
天を駆けるあの鳥は…
伸ばした翼は風を切り裂き
宙に浮くこの体はしかし
あの天には届かない
あの天に あの鳥に
どうすれば届くのだろうか
その術を知らない私は
ただ宙を翔ぶ
自由に天を翔ぶ鳥に
無邪気に憧れた幼き頃
現在の私はもう既に
天を翔べない事を知った
偽りの翼で宙を翔ぶ
嘗て天に憧れた
幼き頃の夢
現在でも私は
天を翔ぶための
術を知らない