平凡な信号待ち
赤信号に捕まる。 ここは変わるまで長いし右折はしにくい。 なのに僕は右折したい。 信号が変わってもタイミング良くでなければならない。 イライラまではしないが面倒だと感じてしまうのは人の性みたいなもので。
ブレーキ踏みっぱなしのお暇な時間。 タバコを吸おうか迷う、車内に流れる音楽もなんだか気分ではない、変えようか…… そんなこと考えても信号は赤。 たった数分なのだがとても長く感じる。 long、longer、longest。 使い方あってるのか? あー、我暇なり。
なんとなく見たバックミラー。 後ろの人も右折希望。 ウインカーがチカチカ光ってる。 僕の車もチカチカ光ってる。 チカチカ、チカチカ、チカチカ……
僕は一旦ウインカーを消した。 そしてバックミラーを凝視し、再びウインカーを付けた。 ふむ、満足。
後ろの車と僕の車のウインカー、同じ周期で点滅をしている。 これで僕と後ろの人は一心同体。 これで目的地も同じなら運命共同体と言えるのではなかろうか。 僕はそのままバックミラーを見ていた。
プップー! 不意に聞こえたクラクション、なんだ何かあったのかと僕は周りを見渡したが特に事故とかはない。 高齢の方が間違えて押したのかな?
しかし再びクラクションの音。 うるさいな、誰だよ…… 少し苛立ちながら前を見た。 ……前の車はすでに無く、信号もいつの間にか青に変わっていた。
なるほど。 僕か、僕に向けてのクラクションだったのですか。 あい、すいません。 僕はハザードを一瞬押し、後ろの車に謝った……つもりでそのまま右折した。
あぁ、平凡な日々ですね。




