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第14話 【協力と決意】

【ステータス振り返り】

主人公の幼馴染

名前:リサ

種族:オーガ

年齢:18歳

職業:魔法使い

力:F

魔法力:D

防御力:F

魔防力:C

忠誠心:S

スキル:ファイアーボール

 夜の静けさが一層(いっそう)際立(きわだ)つ中、月明かりが微かに部屋の中を照らしていた。ルークは弟たちとリサの前に腰を下ろし、彼らの顔を一つずつ見渡した。


炎が揺れるランプの灯りが、彼らの真剣な表情を浮かび上がらせていた。彼らと今後の方針について話すため、真剣な表情をしている。ルークはまずティアのことを話し始めた。


「ティアさんとの交渉がうまくいった。彼女はこれから俺たちの仲間として動いてくれることになったんだ。」


全員驚いた顔を見せる。


「実は、ティアさんはかつて『アーモンド王国』の元将軍だったんだ。けれど、彼女が平民出身だったこともあり、貴族から疎まれ、王の暗殺未遂があった際、ティアが無実の罪を着せられたらしい。彼女の功績は一瞬で忘れ去られ、裏切り者として裁かれ、最終的に奴隷として売られることになった。」


弟たちは目を見開いて、驚愕の表情を浮かべた。


「それで、オーガに奴隷として売られて来たのか…。」


ルークは頷きながら続けた。


「そうだ。だからこそ、彼女の知識と経験はこれからの俺たちにとって重要な力になる。」


「そして、今後についてだが、ティアさんを交渉役として、隣の集落の人間と同盟を結び、援軍を貰えるように交渉してもらう。


レンジとナルカはと同行して、ティアさんの警護と監視をして欲しい。それと人間と同盟を結ぶ際、オーガ・ゴブリンの集落にいる奴隷全員を解放することを条件にするつもりだ。」


弟たちは一瞬、互いの顔を見合わせた。無言の中に、彼らが考え込んでいるのがわかる。幼馴染のリアナも、顎に手を当てながらじっと考え込んでいたが、やがて口を開いた。


「でも……」


リサが疑問を投げかけるように口を開いた

「本当に人間を解放しても、大丈夫なの?人間たちは、私たちを信頼してくれるのかな……」


彼女の声には、不安と懸念が混じっていた。奴隷解放の決断が、人間との交渉にどれほどの影響を与えるのか、奴隷が解放されるとオーガを恨んで襲ってくるような危険性はないのか、真剣に考えていることが伺えた。


「それは、承知の上だ。」


ルークはしっかりと彼女の目を見つめ、言葉を紡いだ。


「今は有事だ。俺たちが存続するためには、奴隷制を続けることよりも、同盟を結んで戦力を増やすことが重要だ。そして、ティアさんは、かつての将軍としての知識を活かし、俺たちを援護してくれるはずだ。」


再び、部屋の空気が静寂に包まれる。彼らはそれぞれ、ルークの提案について思考を巡らせているようだった。


「いきなり人間を仲間にしたり、同盟を結ぼうしたり、今まで前例がないことをやろうとして、困惑しているのは分かる。ただ、少しでもオーガが勝てる可能性を上げたい。頼む、協力して欲しい。」


ルークは頭を下げた。ナルカが小さくうなずき、レンジも少し考え込んだ表情でうなずいた。リサも不安そうな表情を浮かべながらも、最後には頷いた。


「ありがとう……。この作戦でゴブリンに勝てるよう尽力する。」


ルークは力を込めて言った。


「そして、リサ、君と一緒に天狗族との交渉に向かうつもりだ。」


ルークは彼女に真剣な表情で話す。


「天狗族の協力があれば、戦局は大きく変わる可能性がある。彼らはかつて、魔王軍の情報部隊としての役割を果たしていた。


情報部隊として働いていたということは、彼らの持つ偵察や情報収集の能力、地形に関する知識や機動力も高いのであろう。もし彼らと同盟を結べば、ゴブリン軍の動向をいち早く把握できるし、こちらに非常に有利に働く。」


リサは、すぐにその提案の重要性を理解し、しっかりと頷いた。


「そして、明日の大広間での会議では、皆に6日以内に人間の援軍と天狗族の協力が得られない場合、俺たちだけでゴブリンの集落へ行き、降伏しにいくように説明する。それでいいな?」


全員がその言葉の重みを感じ、それぞれの役割を心に刻みながら、静かに頷いた。


ルークが話を終えると、部屋に一瞬の静寂が訪れた。弟たちはそれぞれ考えを巡らせている様子だった。その沈黙を破ったのは、弟のレンジだった。


彼はじっとルークを見つめ、ふと笑みを浮かべながら口を開いた。


「ルーク、変わったな……」


レンジの言葉は穏やかでありながら、どこか感慨深いものだった。


「前はもっと優柔不断で、決断するのに時間がかかってたんだよ。なんていうか……今のお前は、すごくたくましい。さっきも、ティアとの交渉を淡々と進めてたし、天狗族との同盟だって、迷いなく決めてる。昔のルークじゃ考えられなかったよ。」


レンジは少し照れくさそうに肩をすくめて笑った。彼の記憶の中の兄、つまり転生前の自分は、どこか決断力に欠け、時には迷いが多く見られるような人物であったのだろう。


しかし、今目の前にいるルークは、その頃とはまるで違っているようだ。転生前より、仲間たちを導く強い意志が感じられたと思われて嬉しい。


「そうか……俺も変わったってことだな。」


ルークは微笑んで、少し照れ臭そうに肩をすくめた。


「でも、こうやってみんなと一緒に戦うことができるからこそ、俺は強くなれるんだと思う。これからも、俺についてきてくれよ。」


レンジは大きく頷き、兄の肩を軽く叩いた。


「もちろんさ、ルーク。これからも頼りにしてるよ。」

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