六話 始動
お待たせしました。…待ってる人っています?
10/27 諸事情により設定を変更しました。
「何か面白い話はないか?」
「この前部員の少なかったババ抜き部、ジジ抜き部、神経衰弱部、ポーカー部、ブラックジャック部、選挙のSNS利用について考える会がトランプ部に纏められたらしいな。次はここかもしれねえぞ?」
「纏め方が雑すぎませんか?」
文芸部部室でどうでもいい話をしながらペンを走らせる。
「次の部誌のお題、どうしますか?」
「そろそろ決めないと間に合わねえな。」
「お題決めのくじ引くぞー。」
廊下で募集していたお題箱を部長がかき混ぜ、一枚引く。
「『新・昔話』」
「そう来たかー。」
「この前の季節外れな『雪』よりはマシだと思いますけど。」
大変だった。
「一寸法師いただいてもいいですか?」
「じゃあ桃太郎もらうぞ。」
「俺は金太郎だな。」
どんな話ができるだろう。
「そうだ、筆谷。」
「?なんですか?」
「三年の教室の前に学生証が落ちてたぞ。」
「あ、ありがとうございます!」
あの時に落ちていたらしい。
「一年が三年の教室に来ることなんて滅多にないと思うんだが…何かあったのか?」
「色々ありまして…」
あの後…
〜〜〜〜〜〜
「ぎゃああああ!」
「…うるさい。」
「それ以上酷い目になりたくないのならば正直に言いなさい。」
「何やってるの!?」
吊るされたまま揺らされていると神社に誰かが入って来た。
「筆谷くん!?香織ちゃんも鈴先輩も何やってるの!?」
「委員長…?」
1年4組14番、黒野こころ、怪異伝承研究部所属。
銀縁メガネと三つ編みがトレードマーク。
個性的な人(自分含む)の多い1-4をまとめ上げ、学年委員長として学年代表を勤めている。
噂では次期生徒会長候補なんだとか。
本当にクラスではご迷惑をおかけします…
閑話休題。
その委員長が麻縄を解いてくれる。
「助かりました。証拠の捏造とか駿河問いをされるところでした…」
「捏造!?駿河問い!?何やってるの!?」
実際捏造はされた。
「…私は悪くない。」
「怪しいコイツが悪いのです。」
「それでも捏造と拷問はダメ!」
2人の言い訳?主張?を論破していく委員長が落ち着いたのを見計らって声をかける。
「とりあえず花蓮ちゃん含む4人が何かの組織に入っているのは分かったんですけどお聞きしてもいいですか?」
「キュキュウ…」
鳥籠から救出したライトを撫でながら話を聞く姿勢になる。
「私から説明するね…」
「お疲れ様です。」
梁に吊るされた香織ちゃんと鈴先輩を無視して委員長が話を始める。
「まず私たちの属する団体の仕事は暴れるつくも神、つくも神を悪用する契約者を懲らしめることなの。」
「つくも神ってラノベとかのを想像すればいいですか?」
「うーん…よく言われるように長く使われたもの、愛着を持って使われたものがなりやすいのは確かなんだけど…」
長年使われていたもの、愛着を持って使われていたもの…ライトはその条件に当てはまるだろう。
「そのあたりはまだ分かってないんだよね。」
なかなか細かい条件があると考えられているが、分かっていないらしい。
「話を戻すね。筆谷くんが捕まった理由なんだけど…」
「はい。」
大切な話だ。
「最近学校で──」
〜〜〜〜〜〜
「筆谷?おい、大丈夫か?」
「あ、はい。」
昨日のことを思い出していて気づかなかった。
「呼ばれてるぞ?」
「一年の高坂だよな。何があったんだ?」
約束通り来てくれたらしい。
「すいません、早めに帰ります。」
「別に構わないが…」
「何があったんだ?」
「しつこい!」
先輩が取っ組み合いを始めたのをスルーして部室を出る。
「色々あったんです…」
不機嫌なのを隠そうともしない香織ちゃんを目の前にして、正直憂鬱だった。
最後が雑ですよね…