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つくも神のいる日々  作者: 月喰エイム
プロローグ
5/17

五話 尋問

花蓮ちゃんが気を失っている今のうちに逃げなくては。

「本当にごめんなさい。」

あのままだと勢い余って殺されそうだった。

「逃がしません。」

「え、」

カーディガンの右袖が引っ張られたと思うと右腕が糸で壁に固定されていた。

「冤罪なんですけどー。」

「話は後で聞きます。そこで大人しくしていなさい。」

「はーい…」

1年4組29番、高坂香織こうさかかおり、美術部、手芸部所属。

花蓮ちゃんの家に仕えている家に生まれ、幼い時から花蓮ちゃんのメイドとして働いていたらしい。

運動、勉強ともに優秀で、多くの運動部が彼女を欲している。

いわゆるクールビューティーで学年美少女ランキングで花蓮ちゃんとトップを争っているらしい。たしかに綺麗な銀髪だと思う。

上司に欲しい女子ランキングでもトップらしい。

…というかなにそのランキング。

閑話休題

どこからか取り出された麻縄で縛られ、ズルズルと引きずられていった。


〜〜〜〜〜〜


「鈴鳴神社…?」

「いいからついてきてください。」

上半身を縛られたまま神社の急な階段を登る。

「…何かのプレイ?」

「違います。連絡した人です。」

「…最有力犯人候補?」

「冤罪を主張しますー」

「違います。犯人です。」

「容疑者ですよ!?」

そこにいたのは艶やかな黒髪の巫女。

2年6組6番、石鐘鈴いしかねすず、吹奏楽部所属。

一つに纏められた黒髪と不思議な雰囲気で年齢性別関係なく慕われている。

昨年のコンクールでは新入生でただ一人参加し、弱小だった吹部を全国まで導いたという。

「…わかった。中で話を聞く。」

良かった。わかってくれそうだ。

「はーい。」

まさかこれ以上対応が悪くなることはないだろうし、安心だ。

荒縄で縛られたまま神社の中に入った。


〜〜〜〜〜〜


「…もう一度聞く。」

「はい…」

そのまさかだった。

天井の梁から吊り下げられ、揺れながら答える。

「…あなたは事件の犯人?」

「違います…」

何回目の質問だろう。もう何度も同じことを聞かれた。

「キューキュー!」

「何度も悪用されて可哀想に…もう大丈夫です。私たちが守りますからね。」

ライトも助けようとしてくれているがあの感じだと無理だろう。

「もう駿河問いでもして吐かせませんか?」

「殺す気ですか!?」

駿河問いとは江戸時代の拷問である。

石を背中に乗せた状態で床と並行に吊るし、回転させるというもので、遠心力ですごいことになるらしい。某有名デスゲーム系推理ゲーム第3作で知った人も多いのではないだろうか?

閑話休題

「冤罪です!」

「キュー!キュー!」

縛られたまま全力で叫ぶ。

「…それよりもこっちの方が早い。」

そう言って先輩が取り出したのは…

「嘘発見機?」

「…これを使う。手を出して。」

「いや、あの、縛られてるんですけど。」

軽く縛りを緩めてもらって嘘発見器を握る。

「…繰り返して。」

「はい。」

「…私は女です。」

「『私は女です』」ブー

「…私は高校生です。」

「『私は高校生です』」

「…私は盗難事件の犯人です。」

「『私は盗難事件の犯人です。』」ブー

ちゃんと反応してくれた。

「…うん、わかった。」

「じゃあ!」

「…あなたが事件の犯人だということが。」

「何で!?」

スマホを取り出していじり出す。

「…あなたが自供したよね?」

ピッ『私は盗難事件の犯人です。』

「記録の捏造!?」

というか

「嘘発見器の意味は!?」

「…こんなパーティーグッズが証拠になるとでも?」

「その通りですけど!その通りですけど!?」

ミノムシ状態のまま抵抗を始めた。

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