遊び
いらっしゃいませ
「これが人の世か…?」
「神に異界…何より死人である筈の我らが呼吸をしている」
大自然が人工物に汚染されている光景。
或いは神の成せる業か。
大自然と分かる空間の中に人里があった。
大自然の中にあって自然を感じない空間。
この不可思議な空間に自生する木を眺めて分かる異常。
おおよそ人類以外の痕跡が見当たらない事実。
鳥はおろかマトモな虫すら発見できない。
これだけの大自然の中にあって人以外見当たらない歪さ。
自然との調和など育まれる筈のない空間。
大自然の中にあって、周りが森であるのに、木造建築物のない空間。全ては分厚い岩で構築されている。
ある程度熱を内包している滑らかな断面。
鉄器すらないこの人里に似つかわしくない岩の家。
「…神様への信仰が満たされると現れるのです」
そう語る住民から知る答え。
「神は人間を堕落させている」
「信仰のための生命と認識しているのか」
「であるならば…我らに神が求めるのは何だ」
「信仰に生きろと言うのであれば記憶を残す意味もなかろう」
「では何故だ?」
「それが分かるので有れば、すでに行動に移している」
「…だろうな」
「そもそも、身一つで何を成せと云うのか」
住民を観察し続けて3日。
謎の膜が雨風を弾く光景に住民は感謝を示して、朝昼晩に突如として実を付ける草木から遠慮なく実を奪うように取り合っている。
神に対する信仰度が実りの数を左右するという話だが、そんなのは事実かも分からぬ。
「…3日経てど、益々分からぬ」
「信仰以外の事は何もないとは理解に苦しむ」
「目立った欲といえば食欲くらいなものか」
「娯楽などもない…ただ競うように信仰をするのみ」
ーーー
悪魔は契約を守る。
神は時に不誠実である。
「人類に問おう」
悪魔は神を騙り人類に問うた。
「悪魔と神、人類をより苦しめるは何方か」
人類は答えた。
「悪魔である」
神はその答えに満足し、悪魔はその答えに満足する。
神が問うた。
「人類よ、悪魔を信用するか」
人類は答える。
「信用しない」
神はその答えに満足して、悪魔はその答えに真理を見た。
「神よ…お答えください」
人類は神に問うた。
「我々を祝福してくださってますか」
神より先に悪魔が騙る。
「人類は、祝福されている」
その言葉に人類は満足し、その神を崇めた。
神が慌てて云う。
「今のは悪魔の言葉だ信用するな、人類は祝福されている」
人類は真実を見抜けず混乱する。
人類は結局何方も崇めた。
神は人間に不満を持った。
人類はやがて片方の神を2番目とした。
宗教がついに政治に干渉すると派閥が生まれる。
ついに人類は神を騙る悪魔を正式に信仰することとなった。
神は神であることを証明する為に人類にその権能を行使した。
結果、多くの国が巻き込まれる形で滅んだ。
人類は神の権能を悪魔と定めたのである。
お疲れ様でした。




