世界樹の養分
いらっしゃいませ
「宗教の全面的な受け入れと国教の廃止及び宗教に基づく文化の普及…」
「後は?」
「実質属国化、我らが祖国は傀儡師の意のままに動く兵隊さんになってしまった」
「良かったね王座を降りなくて」
「…死刑を免れたのは良かったけどね、王の座は降りたかった」
「戦犯として国民の感情を発散させる道化になりつつ決定権のない偽りの王様として家臣に国の現状維持を命令するだけ」
「家臣の申し出全部蹴ってるのみた時は驚いたよ」
「家臣も形だけだけどね」
「それで、敗北の直接的な原因である左翼は?」
「…宗教に染まったカルト共だよ」
「洗脳された兵隊さんが安全な捕虜生活を満喫している所を何も知らない正常な兵隊さんが見て命のやり取りする前に降伏したと未だ正常に信徒となった知り合いからきいたよ」
「投獄されてる愛国心の塊の様な連中が今度はテロリスト扱いだ…」
「そうだね、近衛兵である彼らも彼らで思想が強すぎて今更宗教には染まれず、戦場にいた愛国心に満ちた人は邪教徒として降伏後に見せしめとして、或いは連帯責任として理不尽に殺害されたって話だし信じる以外の道を潰されて、反発した人から死ぬ、戦争の2文字で誤魔化す魔女狩りみたいだ」
「…2文字?いや、いいかもう王様辞めたい」
「……貴方様が王様を辞めたら僕が困る」
「働けよ……もう何も政策出来ないから知識役に立たんのよ」
「今からでも役に立つ知識……寺子屋を作るか」
「テラコヤ?」
「要するに神を否定しつつ宗教に染まれる良いところさ」
「神の否定なんて出来ないだろ」
「神はいないと思わせる方法はある」
「……?」
「神に祈るのさ」
「……それは信じる事に繋がるんじゃないのか?」
「だから行動力こそ神の御業を凌駕すると理解できる場所を作るのさ」
「…具体的な事が全く分からないんだけど」
「国教を廃止するんだろう?…国教を廃止する時に神は存在しないと国民に知らしめるんだ」
「それは妻や子の首が飛ぶ」
「……すぐに新しい神を用意すればいいよ、神を否定して神を用意する流れを印象づければいい」
「いや、神は存在するよ」
「神を名乗る存在は確かに存在するけど……」
「なら、神様の名称を変更しましたと国民に知らしめれば?」
「それはそれで国内外から狙われるよ」
「ごめん、思い付きでしか話してないから」
「神様が空想なら確かにテラコヤを作るのは良い事だと思うけどね」
「異世界人以外の人間全てが何らかの神を信仰してるだろう?」
「形だけな」
「王様まで宗教に染まったら法の意味が濁るよな」
「で、異世界の知識は役に立たんのか?」
「……寺子屋で知識を身に付けさせることかな」
「そのテラコヤで知識を身に付けたとして後は?」
「身に付けさせる前に、政策によって国民を苦しめる」
「何故?」
「国民の不満が理性的に働けば神に頼らず直談判しに一揆が起きるだろうからその時に胡散臭いこといいながら神を信じよと行動を起こした人達を武力をチラつかせながら鎮圧する」
「……それで何が良くなるんだ?」
「何も良くならないよ、ただ神へ忠誠を誓って権力を乱用する様子を見せつければいい」
「仮に見せ付けたとして狙いは?」
「大司教の命令で動くこの国の異常さに気付く国民を増やすことが目的かな」
「擦り付けるのか」
「結果的にそうなるかなぁ…だから敗戦したことも戦犯なのに王様の座に着いていること、色々利用すれば愛国心と引き換えに宗教に嵌る人は減るかなと」
「国民の不満だけを煽る政策を考える方が国のより良い未来を考えるより難題なのではないか?」
ーーー
白い果実の軌跡には何も残らない。
白い果実の存在を知った天界には暴動が起きる。神に対する思考汚染。
曰く、神々を解放する。その一点において神殺しを実行する。
長時間の観測は危険であると判明した。様々な障害が発生する。真っ先に潰れるのは観測の神である。思考汚染は神々へ深刻な問題を与えた。
天界一つが世界樹に制圧されたことを神域は荒され、既に欠片も残っていない事を数多の神々は忘れていた。
お疲れ様でした




