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白い果実

いらっしゃいませ。

「さぁ、始めようか」

軽々しく放たれた天使の一言に天使が付き従う。

「彼らに知らせよう」

終焉を知らせるラッパは無惨にも散る。

終焉を確定づけることに失敗した証で有る。

この時点で悪魔優位と天使は判断する。

「我らが加護を…!」

正装に身を包んだ天使が敗れた天使を弔って依代を創り出す。

やがて依代は意志を持ち、その両手には復讐に燃えた正邪の短剣が握り締められている。

その光景はまさしく堕ちた天使である。

「戦乱の最中にて悪魔に息吹く邪を払え!」

指揮者の声は悪魔の断末魔によって遮られ、天使は判断を鈍らせる。


ーーー


終焉を知らせるラッパの崩壊を知った一柱は思案する。

天使では殲滅は不可能なのでは無いか。

終焉へ至る可能性をラッパが見出せなかった。

神では干渉が難しい。

天使の数を増やしてもあまり意味はないだろうし、この殲滅戦は世界樹から溢れだす悪魔を狩っているに過ぎないのだ。悪魔の後ろにいる存在が有るとしたら、それは神である我々と同等の存在である。他の天界の神々も同じ結論に至ったのではないか。その証拠に多世界へ赴き力を増そうと画策しているではないか…。同士の諍いは流石に稚拙が過ぎる。


ーーー

「…あぁ、くそ!何でだよ!」

暗く長い廊下で幾百も繰り返した怒号は既に形だけとなった。

「…ほんとなんでこんな暗い廊下に立たされてるわけ?」

「…」

目指すは一筋の光。

それこそが神の導きであり、希望で有り、最後の砦である。


ーーー


「あっ「あっ…」」 

地獄の入り口は小綺麗で広くそして暖かい。

期待を胸に入り口を潜って絶句する。

その光景にこれからを察するのである。



ーーー


世界樹の観測を続ける神々は今更ながらに世界樹の実を発見したのである。


世界樹の果実。

果実は森羅万象を巻き込み成長する。

光をも呑み、果実は白く輝いていた。


果実は何処へ落ちるか。

予測の不能な世界樹の観測を続ける。

お疲れ様でした。


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