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転生

いらっしゃい

「全知全能の神よ!」

唯一神によって全ての時が動き出す。

それは、全ての創造主を目覚めさせ、厳格な規則と加護の元に文明の発展と発達、崩壊を保守し、全ての事象の干渉の受諾を意味する。


ーーー

「私は全てを知り、全てを観測する」

「様々な種族が様々な滅び方を迎えようと干渉する事はない」

「私はこの世界の崩壊と繁栄を望み、それを守護する存在であり、知性ある全ての種族の行動理念へと昇格する」

「欲求によって私は私を保ち、離散する全ての私の集合を願う」

「私は私の存在を破棄することを望む」

「知的生命体が知能を破棄し本能に従うことを望む」

「その結果、その知的生命体の知的好奇心を満たす必要がある」

「世界は自らの活動によって生じる事象を受け入れる」


ーーー

「全知全能すら上回り、その力の一切を手放し、全てを生み出した結果、無力な存在となる」


奈落が宇宙を形成し、宇宙の始まりは唯一無二、宇宙の始まりに触れ、弾き出され続け、その結果膨張を繰り返す。


ーーー

「 ぁー!」

そこには大きな虫が奇声を上げて抵抗するも、その声と抵抗を無視した下顎がその虫の首を跳ね飛ばし、そのまま捕食する光景が広がっている。

小さな声を上がった方向を見ると、既に腕が寄生虫に犯され、膨れ上がり、縮むを繰り返し、ゆっくりと頭の方へと向かう。

必死に石で膨れ上がった自分の体を痛み付ける友達を見詰める。

「ごめんなさい……」

何も出来ない。切開しても既に遅い。

何故ならば、本体が今動き始めたのだから。

集団で寄生し、脳を支配した頃に寄生虫の本体が動き始める。

「……」

目に生気は無く、機械的に殴り続ける友達が腕を振り上げた所で石が手から放り出される。死んだ。首が膨れ上がり、そして、縮む。脳の中へと入り込んだのは明白だった。

寄生されたら何をしても無意味。

気が付いた頃には死ぬ。

この世界は地球ではない。魔法が存在し、文明が発達し、その結果、寄生という手段を選んだ様々な種族が存在する。


この世界には、寄生することで生きる存在とされる事で生きる存在が有り、寄生されなければ命を落とす生命側に生まれた者の末路は見るも無惨な死に方しか無い。


「……いつそんな……」

古き、友の死に寄生していく花々を見つめる。

ここに来たのは死した存在を葬る為である。

「……綺麗だ」

古き友の死体は花々の苗床となった。死体を栄養として育つ草花はやがて地に落ちる。そこで地面に初めて根付き綺麗な花を天へ向ける。風に揺れ、静かに揺れる。


「…はぁ」



転生者の待遇は神々の加護によって決まる。

そして、滅びた神々が次のあるかも分からない宇宙の為に送り付けている。知識があり過ぎても、無さ過ぎてもダメなのだ。


ーーー

「私は眠りに来た」

「はーい」

「……天界の誕生ですね」

「全知全能の神、帰る場所が出来たね」

「はい、では、次の崩壊の日までお願いします」

「次なんてないけどね」

「……では」


ーーー

「……貴方は選ばれたのです」

お疲れ様でした。


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