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短い会議

いらっしゃい。


息抜き程度に見て貰えたら幸いです。


「さて、困った」

神々が数多く集まる天界で、転生を望む魂の数が年々増えている事が今年度最初にして最大の課題であった。


「良い案を持つものは居るか」

神々のうち、まとめ役に任命された運命の神が各神に提案を求めた。

しかし、神々は年々増える転生希望者に仮初の楽園を与え、一応に希望者の要望は満たしていた。


「……第二の日本国家」

どの神かが吐いた言葉に更に頭を悩ませる神々。

「昔は利口だったというのに……」

輪廻転生を求めるならばこちらとしてもまだ都合が良い。

「別世界に飛び立ちたいなどと、我らが創造主がお造りになった世界からの脱却を願うとは、愚か」

「かの地に住まう者共に文句を言っても仕方あるまい…」

「しかしなぁ、老若男女問わず、大多数が望む転生は流石に条約に引っかかってしまう」

「無視しては知性持つ生物への対応とは呼べなくなる…」

「辛うじて言語を扱える程度の存在に何故そこまでの高待遇をせねばならんのか!」

「愚痴を言うのはやめてくれ、改善案を私達は求めているのだ」

「楽園をより狡猾な世界にしてやりましょう」

「つまり、魔王の再来を検討せよと?」

「楽園への転生者がストップするのは流石に私としても困る」

「ならば、規模を拡大……は常時されているのだったな」

「銀河1つでは足りなくなる程には転生者が跋扈しているな」

「コロシアム、解禁しない?」

「堕天使が急増したので禁止になったではないか」

「いや、だからさ今度は神々だけで、な?」

「……」

「流石に邪神には堕ちたくは無いので、私は遠慮します」

「ちっ」

「この中では魔王の再来が一番簡単な対処法になるが、同時に勇者も召喚する必要が……それでは一時的に転生者の数が減ったとしても最終的には、来年にはまた増える可能性が非常に高いので、博打要素が…」


「ならば、旧世界と新世界の衝突は如何でしょうか」

「検討はしたが、イタズラに枠を潰して、転生者の受け入りできる場所が足りなくなる」

「再構築に掛かる時間を加味しても?」

「無理だろうな、この季節では特に」

「……では、今のはまた今度の機会に試して見ましょうか」

「やはり、殺人鬼を送り込むか、転生者を忌み子として設定するかが、今回も妥当な検討結果として上に報告しても良いでしょうか?」

「大災害を転生者はイベント事として当然の様に受け入れる傾向が強いので、今回もそれをキッカケにしませんかね」

「異議はないが、最近人以外に転生したがってる希望者も多いんだが、神として崇められている転生者が数名出始めているんだが」

「……有り得ん」

「我らの恩を仇で返すとは……」

「私からも、1つ」

「ん?珍しいな、なんだ?」

「昨年の一月に隣の天界で神殺しが発生したのをご存知だと思います、今年も可能性として十分留意すべき点だと」

「なるほど……失念していた」

「神殺しかぁ存在の消滅ではなく神としての地位の消滅だから、まぁ神としてはプライドが傷付くだけでそこまで深刻な問題でも……」

「ゴホン」

運命の神のわざとらしい咳払いで静まり返る。

一度、運命の神は神殺しされた事があるからだ。

「すまなかった」

「今回も有力な会議では無かったが、方針は決まったといつも通り報告をしておく」


「はーあーい」

気の抜けた返事が会議室に反響し、静まり返る頃には塵一つない白紙の空間へと姿を変えた、

ありがとうございました。

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