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わが名は日神子〜転生か憑依か分かりません〜  作者: 加上鈴子
四章 ミコがやれること
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4-3

 謁見してやろう、なんて上から目線では言ってないけど。

「分かりました。オサに、デンの下へ来るよう伝えなさい」

 ニコリともせずに私は言い放った。

 やっぱちょっと上からかな。


 祈祷をやったり、ナコクの使者と会った、テラス。ベランダ。このスペースを「カグラデン」と呼びますよと教えてくれたのも、ヒタオだった。書物を確認したら、そこには神楽殿と書かれていた。

 神の字は使わないから、呼ぶ時は楽殿(ラクデン)とか殿(デン)になる。

 神楽か、そうか。と、妙に納得できた。

 テラスは(ミコ)が神として降臨する場所なのだ。

 現代だと神楽って言ったら舞を指すけど、この世界でも踊ったりとかするのかな。この身体(カラナ)が踊れる気がしないけど。どっちかといえばヒタオが踊ったら綺麗だっただろうな。


「オサ。私と言葉を交わすことを許します」

 デンに来たオサは、私を見るなり「おやおや」って顔をした。

「以前とは、ずいぶんお変わりになられましたな、ミコ様」


 相変わらず余裕ある風な、嫌味な顔。薄く微笑んでるみたいに見えるのは間違いじゃないだろう。髭で分かりにくいけど、笑ってない目が逆に私をあざけってるように感じる。

 あっちのがデンの下にいるのに、地べたに座り込んでるのに、めっちゃ偉そうだ。

 オサが言う「以前」が、私じゃないカラナの頃のことを言ってるのか、捕らえられて洞窟で死にかけた時の私を言ってるのかは、分からない。分からないけど、でも、ひるんだら負けだ、というのだけは分かる。

「そのような発言は許していません」

 思いっきり見下す顔を作って、威張ってみた。ここでは私が上だ。多分。いや絶対。主導権は私だ、飲まれるもんか。


 フツが治佐(チサ)を通して私に報告したことを、知ってるのだろう。オサはいきなり、切り出してきた。

「ミコ様。タバナがナコクへ向かったのは、先方との交渉のためです。ミコ様は、狙われたのですぞ。使者の処刑も当然ですし、そのような企みをしでかしたナコクに、牽制を与えるのは当然です」

 う〜ん……。

 そう言われると……そうなのかな。この世界での常識として、処刑が正しいなら、これで相手への牽制になるのかも?

 先制攻撃を受けると、うろたえてしまう。

 でも……。

「それは、タバナがナコクに殺されませんか」

「そうはされぬよう、一個部隊で向かっておりますゆえ」

 はぁ?! ちょっ、待っ?!

「そんな大勢で行ったら余計に、あ、いえ」

 興奮すると素が出る。

「そうですか……」

 私は咳払いした。

「神託の語意が読み取れました」

 一拍置いて、勿体つけて。でなきゃ神託っぽくないもんね。

「戦争とは、ナコクとのものでしょう」

「お言葉ですが、ミコ様」

 頑張って(すご)もうとする私に、間髪入れずオサがふてぶてしい顔を向けてきた。

「ナコクが我々と戦をできるほど、力があるはずがございません。タバナから聞いておったはず、かのクニも水不足で飢饉に遭い疲弊しておるのです。ですからヤマタイへ援助を乞いに来たのですから……」

「援助を乞いながら、私を暗殺しようと?」

 どっちが本当?


 ああ、良かった。

 最初の印象が悪すぎて、オサの言うこと全部、信用できないわ。おかげで、どんなに正しそうに聴こえる発言されても、疑ってかかれる。

 こちとら、あんたに殺されかけたの根に持ってんだからね。何もなかったかのように、しれっと「ミコ様の御為(おんため)でございます」とか言われて、信じられるかっつーの。

 なんなら暗殺計画だって、お前が手引きしたんじゃねーの? って話よ。


 あ。


 まさか、本当に手引きしたんじゃないか?

 だって使者と暗殺者を私に会わせるのもオサが仕組むなら、すんなり出来る。あの時オサは笑った。確かに見たわ。

 暗殺に失敗した使者の首をはねて証拠隠滅、ついでにタバナもナコクに送りこんで殺してもらおう、なんてことは……?


 ありえそう。

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