プロローグ
初めまして小憩 澪です。
ベットがかすかに振動ながら音楽が流れる。
「ん……」
俺は目をこすりながらスマホに触れ
音楽と振動を止める。
「朝か……」
それにしても眠い、一昨日の24時間連続のゲームのせいだろうか、
俺、天使 天音はそんなことを思いながら寝巻きから私服に着替えようとする。
「……あ」ふと思い先ほどアラームが鳴っていたスマホで時間を確認する。
そこには6:00と書かれている。
やっぱり、だから眠たいわけだ、
そういつもは六時にアラームをかけて起きるはずがない。
それでなければ考えられるのは一つ。
「入学式…」
俺は少しあくびをしながら制服に着替え
自室をでて階段を降りリビングへと向かう。
そこには楽しそうにテレビでSw●tchを遊んでいる男がいる。
「おはよ……いつもどおりだな?神谷」
俺は神谷に向かいそういいながら
冷蔵庫から牛乳を出しマグカップに入れ砂糖を入れてレンジに入れる。
神谷、こいつは俺の中学生からの中だ。と言ってもつい一、二か月前まで中学生だったのだが。
まぁ約三年の中なのだが何故か俺の家で居候している。
「あ、天音君起きたんだ、おはよ~」
神谷は画面を見ながら答える。
もう慣れてしまったがこいつは寝るということをしない
なのにくまもなくいつも元気で何回か寝かせてみようとしたが
いつもその前に俺が睡魔にやられ自室に行ってしまう。
「今日?入学式」
「あぁ……そうだけど?お前のおかげでな」
俺は神谷に質問に嫌味交じりで答える。
「それにしても僕がふざけて天音君名義で出した入学志願書で天音君が入試受けたら
あの雪ノ下学園に受かっちゃうんだもんね僕もびっくりだよ!!」
そう、こいつのおふざけで国内1の名門校『雪ノ下学園』に合格したのだ。
「あぁ、今でも夢かと疑ってるよ……」
「だって天音君中学の時成績なんだっけ?オール2?」
「オール3だよ……」
そう、俺自身成績がいいわけでもなく三年間オール3というど真ん中の成績なのである。
三年生の時の担任にはほんとは狙ってるんじゃないのかって言われたけど全く狙ってる訳ではない。
「ま、合格できてよかったじゃん。」
「いやお前な、雪乃下学園の退学率分かってて言ってるか?」
「知ってるよ?確か99.9%以下……だっけ?」
「大正解……それ知ってるんならさ……」
そう、雪乃下学園の卒業者は毎年一桁台と少ない。
それに入学者も三百人ほどいるという。
「でも天音君なら合格できるでしょ?」
神谷は画面を見ながら話しているが声は少し口調なのがわかる。
「まぁ、頑張ってはみるからさ、家は任せるぞ?」
俺がそう聞くと神谷は元気に「任せとけって」と言ってきた。
まぁあいつだから大丈夫だろう……多分
そして俺はカップをかたずけ玄関に向かい靴を履き扉を開ける。
四月に朝は暗く寒い風が当たる。
さて、俺はこれから大丈夫なのだろうか?
不安が胸の中でいっぱいになりながらも歩き出す。
その後ろで閉まる扉の隙間から神谷が顔を出していた。
「またね天音」
感想などは私のモチベになるのでどしどしください。