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女公爵は呪いのぬいぐるみを探す

今度はぬいぐるみ

アンジェリクはある日ベアトリス皇女に二人きりのお茶会に誘われた。皇宮へ行くアンジェリクとリュカ。リュカは、我らがお姫様に会えるとご機嫌な様子のアンジェリクに優しい気持ちになる。そんなアンジェリクに会ったベアトリス皇女はぱっと明るい笑顔になる。それを見たアンジェリクは思わずベアトリス皇女にも負けない程に笑顔になる。


「ベアトリス皇女殿下におかれましてはご機嫌麗しく。本日はお茶会に誘ってくださりありがとうございます」


「ご機嫌よう、アン!こちらこそ来てくれてとても嬉しいわ!さあ、お茶会にしましょう?」


「はい、ベアトリス皇女殿下」


ベアトリス皇女はアンジェリクの手を取って上機嫌に中庭に向かい、そんなベアトリス皇女の様子にアンジェリクは嬉しさを隠しきれていない。


「貴女達、紅茶を淹れてちょうだい。お茶菓子も用意してね。アン、最近旅館をオープンしたんでしょう?お客様はどう?」


「ご心配いただきありがとうございます、ベアトリス皇女殿下。おかげさまでたくさんの方々にご利用いただいております。かなり大好評ですよ」


「うふふ、さすがはアンね!」


「ふふ。菊様のおかげですよ」


「あ、あの極東の国の方ね!伯爵夫人だったわよね?彼女のアドバイスは有用だった?」


「はい、とても。菊様は極東の国に精通した素晴らしい方ですね」


「へー。そうなのね?私も今度お話してみようかしら」


「それはとても良いと思います」


「ところで、アン。こんな噂を知っているかしら?」


「なんでしょうか?」


「フレール。フレールという可愛らしいうさぎのぬいぐるみなんだけれどそれがまた曰く付きなの。なんでも、持ち主は必ず呪われて家族で殺し合いになるんですって!とっても素敵だと思わない?」


「それはとても興味深いですね」


「ね!とっても気になるのだけど、どこにあるのか知らないのよね…」


「では、僭越ながら私が手に入れて参りますね」


「そう?頼んでもいいの?」


「ええ、構いませんよ」


「うふふ!やっぱり持つべきものは大親友ね!アン、ありがとう!大好きよ!」


「私もです、ベアトリス皇女殿下」


「嬉しい!これからも仲良くしましょうね、アン!」


「もちろんです」


そうしてベアトリス皇女と二人だけのお茶会を楽しんだ後、皇宮を後にするアンジェリクとその供をするリュカ。さて、我らがお姫様の求めるフレールというぬいぐるみを早く見つけ出さなければ。


フレールというぬいぐるみを探すアンジェリクとリュカは、今日も情報屋アルファの元を訪れる。


「あら!アンジェリク様にリュカ様!今日は何をお探しかしら」


「もちろん献上品よ。フレールってぬいぐるみ知らない?曰く付きの」


「あー!あのぬいぐるみ、持ち主を転々とした挙句にゴミ捨て場に捨てられたんですって! 」


「あらまぁ…」


「けれどもね、たまたま街に来ていたきこりの娘が拾っていったそうよ!」


「きこりの娘が?何故?」


「さあ?気に入ったんじゃない?」


「…あらまぁ。曰く品とも知らずに可哀想に。多少引き取る料金に色を付けてあげようかしら?」


「さすがはご主人様。お優しいですね」


「うふふ」


「それで、そのきこりの娘はどこにいるのでしょう?」


「フォレスター領の森で生活してるはずよ」


「じゃあ早速行ってみましょうか」


「ええ。情報料はおいくらですか?」


「普通の金貨二十枚でどう?」


「それならいいわよ。リュカ」


「はい、ご主人様。お代はこれで」


「んー、さすがー!やっぱりアンジェリク様は太客ね!まいどありー!」


そうして二人は馬車でフォレスター領の森に向かう。しばらく歩くと小屋に辿り着いた。


「えっと…ここ、に住んでるのかしら?」


「ええ、ここ以外に人が住めそうな場所はありませんよ。ご主人様」


「あらまぁ…大変な生活を送っているのね」


二人は小屋のドアをノックする。すると若いが非常に窶れた女性が出て来た。


「はい、どなたですか?」


「ご機嫌よう。私、エルドラド公爵の執事をしておりますリュカと申します。突然のご訪問申し訳ありません。ちょっと事情がありまして、ぜひ、娘さんがゴミ捨て場から持って帰ったぬいぐるみを見せてはいただけませんか?」


「え、公爵様の執事!?」


「主人は私よ。女公爵なの。疑うならこのボタンを見てみなさい。エルドラド公爵家の紋章が刻まれているから」


「…!?…と、とりあえずどうぞ中へ」


「あら、ありがとう」


「なんのお構いもできませんが…」


「いいの。気にしないで?」


「お気遣いありがとうございます」


「さて。娘さんは?」


「えっと…娘は…」


「何かあったのですか?」


きこりの妻は言いづらそうに口を開いた。


「あの子は最近、様子がおかしいのです」

様子のおかしい娘さん

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