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女公爵は情報屋を追い詰めない

特にお咎めなし

あの誘拐事件の件の噂がようやく下火になってきた頃、アンジェリクとリュカはようやく元気になってきたベアトリス皇女からのおねだりで『死の天使』と呼ばれる天使像を探すことになった。この天使像は、持ち主だけでなく家族諸共死を与えるとされる曰く付きの品。しかし芸術品としての価値は高く、買い取る者は後を絶えない。…なのだが、一昔前に突然当時の持ち主の伯爵の家から姿を消した。盗まれたのだ。なのでどこにあるかはわからない。こういう時には情報屋に聞くのが手っ取り早い。ということで二人はアルファを頼った。


「げ、アンジェリク様とリュカ様」


「ああ、よかった。まだ仕事場を移してなかったのね」


「そ、その節はすみませんでした!」


「あら、いいのよ?」


「え?」


「だって貴女は情報屋だもの。情報を売るのがお仕事でしょう?たかがマフィアに情報を売ったくらいでは怒らないわ」


「アンジェリク様ぁ!本当にごめんなさーい!」


「良心の呵責に耐えられないなら最初からやめておきなさいな」


「だって円卓金貨二十枚くれるって言われてー!」


「あら、思ったより私とリュカの情報料は安いのね?」


「ごめんなさーい!」


「それで、アルファさん。『死の天使』という天使像について何か知りませんか?」


「え?死の天使?確かそれ、グランディネファミリーが所有してなかった?」


「え」


「んーとね…うん、やっぱりそうだ。アンジェリク様とリュカ様があっさり返り討ちにしたグランディネファミリーが持ち主だよ」


「じゃあ、今はその家族が持ち主なのね?」


「そうそう。あの人達が女公爵を襲った罪で処刑された後、その家族が引き取ったはず。そろそろ売りに出されてる頃じゃないかな」


「えーっと…パラディーゾまで行かなきゃダメかしら」


「多分あっちの表のオークションに出されていると思うけど」


「なるほどね…わかったわ、ありがとう。今回の情報料だけど…」


「今回はタダで良いです!」


「あら、いいの?」


「だからその…また頼って貰えたらなぁなんて…」


「あら、そのくらいお安い御用よ?」


「アンジェリク様ぁ!ありがとう!」


「けど、貴女もう少し情報を売る相手は考えた方がいいわ。私だからいいけど、普通の人なら怒るわよ?」


「はぁい…」


「あと、流石に無料じゃ申し訳ないから、これあげるわ」


「これは…?」


「私のところのシェフ達が作ったちょっとした焼き菓子よ。よかったら」


「アンジェリク様本当にありがとう!」


「これからもよろしくね、アルファ」


「はいはーい!」


そんなこんなでアンジェリクとリュカはパラディーゾ半島まで船を出すことになった。

ご主人様は優しいのです

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