生き甲斐
俺は今猛烈にたこ焼きを焼いている。今日も沢山売れて商売繁盛だ。
こう見えて実は近辺では一番売上が高い。場所はどこですか?って言われても地図にもないしネットにも雑誌にも載ってない。
何故かって?そりゃここは
「異世界だから・・・」
俺の名前はユウト、二十二歳の十月、俺は市内のたこ焼き屋でアルバイトを始めた。
大学卒業後、なんだかんだで就職する事ができた俺は慣れない環境で働いていたが人間関係などで悩み結局三カ月で辞めてしまった。
地元を離れ一人暮らしをしていた俺は引きこもりになり実家の両親が違和感を感じて家まで来てくれた。
[とりあえずバイトでもやってみいや]
笑いながら励ましてくれた。最初は両親に会うのが不安だったが少し元気がでた。
とりあえず何でもいいから行動しようと商店街にアルバイトを探しに行った。
それから商店街の出入り口付近のたこ焼き屋のアルバイト募集中の貼り紙を見つけ働く事になった俺はアルバイトとしての立場だが週五日から週六日フルで働き一年間で貯金もできるようになり何とか生活できるようになる。
だが俺はたこ焼きをやりながらでも(生き甲斐)を探していた。
小学生から野球選手を目指していた俺はボールを投げるのを恐れていた。
それをずっと周囲には隠して野球に打ち込んできたが大学一年の夏に全てを監督や親に伝え辞める事にした。終わったんだなっと涙が溢れた。
野球を辞めてから様々の事に挑戦した。単に合わなかったのか飽き性なのか分からないが何をやってもすぐに辞めてしまう。
ここでアルバイトを始めて一年が過ぎたが未だに(生き甲斐)を感じられない。
二十三歳になった俺は「これから先もずっとたこ焼きを焼くのかなぁ」と心の中で思っていた。
今日もいつものようにバイトを終えた俺は近所のスーパーで晩飯を買い家賃二万ちょっとのアパートに帰宅した。
パパッと風呂に入り買ってきた唐揚げ弁当を食べる。やっぱり唐揚げは最高だ。もっと白米が欲しいくらいだ。
テレビを観ていたら眠気が襲ってくる。このまま寝てはいけない。俺は大学の時から続けている夢日記を枕元に置いてから寝るようにしている。
唯一辞めずに続けているのがこの夢日記である。毎日続けているとたまに自分の意思をコントロールできるようになり自由に話したり動いたりできるようになりそれが楽しくて楽しみでもある。
俺は今日も寝る前に(いい夢が見れますように)と心の中で祈りながら眠りに落ちてしまった。
気が付けば俺はあるスラム街に来ていた。
今日はいつもよりさらに自分の意思でコントロールできている。スラム街を探索しているとある男が俺に話しかけてきた。
男はもう何日も何も食べていないかぐらいガリガリに痩せている。
「あんたどこから来やがった!?とっとと消え失せろ!」
恐くなった俺はその場から走って逃げた。「何だよあいつ」と思いながら逃げた俺はスラム街を抜け海辺に辿り着いた。
今回はやけにリアルだなぁと思っていた俺は明日は休みだからとっとと起きて気分転換に女の子と遊ぼうと夢から覚めるため目を思いっきり閉じた。
・・・・・・・・・だが目を開けたら自分の部屋ではなかった。まだ夜の海辺だった。
今度は顔を叩いた。・・・・・・・・・・・・・眼に映るのは海辺だ。
俺は嫌な予感がした。
これは戻れないじゃかと・・・。
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