Chapter05 事前会議
もう学園生活終わりかぁ。よし部屋に戻ろっと。急がないとミッシェルとアリーナを待たせてるかも。
「あの、鈴先輩、待ってください。」
「うん?何が用?」
この前告白してきた人だ。
「先輩が明日の朝に出発するとお聞きしたのでその、最後に...先輩今までありがとうございました。これからもどうか元気でいてください。」
私振ったのにこんなこと。
「ありがとう、これからも頑張るよ。この学園のこと、みんなのことどこの行っても絶対忘れないしまたいつかここに戻ってくるよ。その時にまた会おう。こんな時間に本当ありがとうね。」
「いいえ、自分がお礼を言いたかっただけなので。また会いましょう。」
よし頑張ろ。嬉しいなこんなこと言ってもらえて。けどこの小さい頃からいた学園を離れるにはやっぱりちょっと寂しい。
「 二人ともお待たせ。」
「遅いよ鈴。」
「ごめんごめん。ではさっそく第一回 事前会議 を始めるよ。」
「 オー。」
今私たち三人は私の部屋に集まっている。これからは旅についての必要なことを確認してそれが終わったら一緒お泊まり会する。そのための布団も用意した。夜だけど張り切っておつまみも準備した。
「その前になんでお粥がお菓子にさり気なく混ざってるの?」
「食堂のお粥が食べられなくなるって思ったらつい持ってきちゃった。美味しいしいいじゃん。」
パクパク
「はい、そここまで。今日は何のに集まったと思ってるの。大事なことがあるんだったらやることはしっかりやろ。」
「は、はい。」
ミッシェルはいつも優しいけど怒ると怖い。
「まず改めてだけど自己紹介お願いします。ほらみんなお互いのこと知ってるけどアリーナとは別に同じクラスにいたことないし。あとこの旅で何がしたいとかどこか行きたいとかあったら一緒に言ってください。」
事前会議だからこう来なくっちゃ。
「じゃあ、私から、私はアリーナ。この学園では職人をやっていてワンドやその他のものも作っている。特技はやっぱりものを作ることかな。得意なのは水属性の魔法で、あと力には自信があるから旅で役に立てたらいいなって思って。旅ではこの世界をもっと知りたい、そして自分の故郷を見てみたい。以上かな。」
そう言えばアリーナは小さい頃に故郷を離れたらしい、前に話していた気が。故郷を探す旅異世界っぽい。
「 で、次はあたしでいいかな。あたしの名前はミッシェル。この学園には鈴と同じときに入ったけど年は一つ上。卒業してからは講義を専門にやっていて、得意なのは精神操作系の魔法、毒魔法とも呼ばれたりもする。でもあまり使いたくないから期待しないでね。心配しないで回復魔法も得意だから。それで、あたしは旅を通してこれからの自分の本当にやりたいことが見つけたいと思う。そのためにはまずこの世界に何があるか知らないといけないと思って。宜しくね。」
「ミッシェル自己紹介の癖強い。しかも 使いたくないから とか 期待しないでね とかなんか怖い。」
「最後は私だね。私はウィリアムズ・鈴。二人は苗字のこともう知ってるね。学園では色々やってて。得意な魔法は。。えっと。。。全般的に得意かな。強いて言うなら火属性の魔法が好きかな。趣味は魔法について調べること。私は旅をして自分にできることの最善のことを見つけて、そのことをやりたい。二人ともこれから宜しくね。」
「 流石優等生違うね。」
「そんなことない。アリーナも私ができないことたくさんできるじゃん。」
魔法はイメージがはっきりするほど質が良くなる。だから二回分の人生の記憶があるとそれは勿論一回分の人生を生きた人より魔法が強くなる。二回分の人生生きてることは二人にも言ってない。でも、これから一緒だからいつか言えるチャンスが来るかも。
「もっと重要なにはこれからでしょ。まずどこに行くとか、お金どうするとか。」
「私はやっぱり最初にギルシア王国の首都に行ったほうがいいと思う。みんながいいって思ったらだけど。夜明け前に出発したらお昼には着きそうだし。お金は暫くの間大丈夫なくらい学校から貰った。工房のお礼って言われて渡された。そこからどうするかはまた考えよう。」
「私は鈴に賛成する。最初はやっぱり少しずつ進もう。それと私はこの学園の人だってバレないようにする羽織ものを持ってきた。生憎学園に服はなかったから、おうとだったら買えそうだね。新しい二人のワンドもあるよ。」
「ありがとう、アリーナ。ミッシェルの分まで。」
デザインが前とちょっと違う、新作かな。でも前より形が可愛いし使いやすそう。
「あたし頼んでなかったのに、ありがとう。」
「これは二人の魔法の使い方とかを参考にして作った二人専用のワンド。」
おぉお、なんてありがたい。
「これなら旅でなんかあっても大丈夫だね。それと薬とかも持って行くから。他のものは首都で揃えようと思ってる。」
ミッシェル頼りになるなぁ。
「確認することは以上かな。それじゃあ明日朝早いし、早めに寝よう。」