Chapter04 新しい仲間
ある日学園にて
「ねえ、次の新入生のためにワンドを作りたいんだけどどうしたらいいかな。」
この子はアリーナこの学園で魔具などを作ってる職人。歳は私とそんなに変わらないのに圧倒的な技術の持ち主。ワンドは魔法を使うときの道具のこと。魔法は手でも使えるけどワンドを使うと魔法の質も威力も桁違いになる。ワンドは道具の何処かに魔法石がはめてあって色んなタイプがある。それぞれのタイプによって長所と短所がある。私も前世で魔法使いの杖とかに憧れてた時期があったなぁ。なんか懐かしい。
「一番使いやすい杖タイプを多めに作ったら?」
「そうだね。確かにそれが一番いいかも。鈴はなんでスティッキタイプのやつ使ってるの?」
「持ち運びが楽だから。ていうか準備早くない。新入生が入ってくるのまだまだじゃん。」
ワンドには長所と短所があるから自分にあうものを選ぶ。使う人によっては剣だったりもする。実際この学園にも剣タイプのを使ってる人がいる。剣術を磨く必要もあるから使いこなすのが比較的難しいし、あとこれが理由かはわからないけど剣タイプを使う人は少ない。
「早めに準備しないと後々大変なんだって、職人の先輩が言ってた。それで、鈴はここでくつろいでいいの?色々忙しいって聞いたけど。」
「久しぶりに時間が空いたからゆっくりさせてよ。」
「前から思ってたけど鈴ってオン・オフの差激しいよね。裏表があるっていうか。別に悪い意味じゃないけど。」
「そんなの誰にもあるじゃん。」
「そうかなミッシェルとかはなさそうだけど。」
「確かに見たことない。意外と怖かったりして。」
そう言えば前世にはいっぱいいたなぁ、裏表の差が激しすぎて怖かった人。
「案外あるかもよ。ところでさスティッキボロボロだけど変えなくていいの?ほらもうすぐ旅に出るって。」
「新しく作ってもらえるの!?嬉しい、ありがとうアリーナ。」
「その代わりお代を一つだけいただこう。私も旅に一緒に連れて行って。」
「へ?」
「だからスティッキを作ってあげる代わりに一緒に旅に連れてって。ミッシェルも行くんでしょう、いいじゃん。」
「アリーナはここで職人をやるつもりじゃなかったの?!でもアリーナが一緒に来たいっていうなら大歓迎だよ。」
アリーナが一緒に来るなんてミッシェルもきっと喜ぶ。益々旅が楽しみ。
「やった、私も予定に間に合うように準備しとく。」
「二人とも楽しそうだね。」
「ひいいいぃいい。ミッシェルかびっくりした。急に驚かさないでよ。」
「別に驚かすつもりはなかったけど、何となくあたしの名前が聞こえたから。」
あ、忘れてた。裏表以前にミッシェル凄い地獄耳だった。
「私も旅に参加していいかって話をしてただけで、他は特に何も話してないよ。ね、鈴そうだよね。」
「そそう、特に何も。」
「なら良かった。これからもよろしくね、アリーナ。お話邪魔してごめんね。」
なんかうまくやっていけるか心配になってきた。