トラピストにて
フリッグさんが言うには、
この世界の記録に私の名前が記録されているので、まずは記録の保護が行われている(トラピスト)に向かうと言う事になった。
「それじゃ行きましょう………あら?」
フリッグさんが少し困った様に考えている。
「どうしたのですか?」
「………あぁ貴女の側に有る壺も一緒に行きましょう。」そう言って私の側に有る壺を手に持つ。
「それじゃ改めて……」
フリッグさんがそう言うと一瞬暗くなり周りが赤茶色の世界に。
「あのぉここがトラピストなのですか?」
周りは赤茶色い土で何故か空の景色まで一面赤茶色い。
「そうよ、このトラピストに貴女の記録が有るはずよ。」そう言うと中空に円の様な物と何かしらの絵や文字を書いた。
私はその絵や文字に見覚えが有る……?どこで見たのだろう…。考えていると、フリッグさんは何事もなくスッと私の方に手を伸ばす。
「貴女の記録が抜け墜ちているのは記録が古すぎて封印と同じ様な状態だからなのね…。」
封印?言われて先ほどの絵や文字が思い浮かぶ。
「もしかして…貴女は過去、創造神がトラピストに対して手を加える為の布石として遣わされたのかもしれないわ……」
フリッグさんは少し考えて…!何か思いついたのか先ほど描いた文字と絵の配列を換え、円の側に壺に書かれていた文字を加えて書いた。
「良し!これで貴女の記録を取り戻す事ができるわ。」
そう言って私の側に寄って来る。
「さぁ、あの円の側に行って。」
私は促されてフリッグさんが先ほど描いた物に近づく。
すると円の中心から眩しい光が……。