この場所と名前の由来
お姉さんは「何か気になる事があれば答えるから言ってね。」と前置きしてから話し始めた。
「最初に、この世界を管理している私は[フリッグ]と言います。
この場所は、テラの管理する地球から約40光年離れています。
矮星トラピストと呼ばれる星を中心に、その周りを公転する7つの衛星が有り、その中の1つの星に貴女が帰ってきたのです。
自分の名前だと思っているエモルカですが、貴女が帰ってきた星の名前がエモルカなのですよ。」
星の名前がエモルカ?でも地球で呼ばれていた名前は確かにエモルカなのだ、それ以外で呼ばれていた名前って…。
「あのぉ…私、蛍雪って呼ばれていた頃が有るのですが…、蛍雪も私の名前ではないって事ですか?」
もしかして地球で呼ばれていた名前はこちらでは違うのでは?そう思って尋ねてみる。
「そうね…地球で最初に付けられた名前はこちらの星の壺に書かれていた文字を見て付けられ、更に地球内で輪廻転生の枠に入った為に産まれた場所では色々な名前で呼ばれる様になったはずよ。」
壺に書かれていた文字!そう言われ、改めて周りを見渡すと私の左側に私と共に有り続けた壺が有る。
「フリッグさん、もしかしてこの壺に書かれていた文字が私の名前になったのですか?」確信は有る。漁村でエモルカと呼ばれていた頃もこの壺は側に有ったのだ。
「確かに……その壺に書かれていた文字が貴女の名前になったのは間違いないの……でも……」フリッグさんは言いかけて黙ってしまう。
今わかった事
[エモルカ]は星の名前だった事
側に有る壺は元々フリッグさんの居るこの世界の物だと言う事。
…………???解らない事だらけだ……。
私が考え込んでしまうとフリッグさんは「まずは貴女の本当の名を取り戻す事ですね。」
???名前を[思い出す]では無く[取り戻す]って何故だろう…。