黄色い世界
「うわぁ」思っただけなのに先ほど居た場所の上から動物の群れが近付いて来るのが見える。
何故か私の近くに有った壺も一緒に上に来ていた。
??私と壺に黄色い光が上から注がれ、包み込まれ黄色い世界に…。
ん?誰か居る。
「あらぁ?おかしいわねぇ…、確か女の子だと思ったのに…。」
そこには綺麗なお姉さんが居た。
「あのぉ」恐る恐る声をかけてみる。[!!]「貴女はその様な状態で話せるの?」お姉さんはビックリした様に話してきた。
「はい。」返事を返す。
「あぁやはりそうなのね。」お姉さんは何か納得した様で私をゆっくり視ていく。
テラさんの居た場所に似た黄色い世界だが、全く違う所に思える。
「ここはどこなのですか?」素直に尋ねてみる。
「あらぁ?貴女もしかして記録が抜け堕ちてしまったのかしら。」
言っている意味が解らない…、記録って何だろう…。そんな事を考えていると。
「貴女、自分の名前は覚えているかしら。」お姉さんは何か思い付いた様に問いかけてくる。
「はい!テラさんの居た場所、地球ではエモルカって呼ばれていました。」あの漁村で過ごしていたのは確かだからその時の名前は鮮明に覚えている。
お姉さんはため息をついて困った様に考えている。
「エモルカ…。貴女は地球からこちらに帰ってきた様だけど、私が管理するトラピストでの記録が抜け堕ちている様なのです。」
「トラピスト?私は覚えていないのですが……。」私が考え込んでしまうとお姉さんはこの異世界について語り始めた。