白の世界に再び
白い世界でまたあの人に会い、「!また貴女ですか……、次の所へ…」
言われてすぐに目の前に現れたその人は……。
[お婆さん??]私を抱えている人はお婆さんで周りに藁が積み上げられ、傍らに痩せた女の人が。
[私はまた赤ん坊に?]私を藁で編んだ籠らしき物に布でくるみ、入れると先ほどの女の人の所へ歩み寄る。
何か話をしてる様だけど小声で聞き取り辛い。
最後にお婆さんが根負けしたかの様に深いため息をついて「わかったよ………」そう言って私の入った藁籠を手に、外に出た。
外は私が見た事もない真っ白な世界で……?
[何だろう空から降ってくる白い綿みたいな物…]
私は手でその白い物を取ろうとすると、手のひらで溶け水になった。
お婆さんは長い時間をかけ、大きな家(屋敷)にたどり着く。
ドンドン「ごめんよぉ、開けておくれ。」扉の中から少し遅れて男性が出てきた。
「何の用だ婆さん、恵んでやる物なんて無いぞ!」少しイライラしてる様でこちらを見る。
「この子はここの旦那の娘なんだ、少しでも良いから話を聞いてもらえないかね。」
!!「あぁわかった……ちょっとそこのソファーで待ってろ。」そう言って大きな階段を上がって行く…。
しばらくして上から言い争う声が聞こえて来た。
上から先ほどの男性が降りて来て「ちょっと婆さん!その子を持ってこっちの部屋へ早く!」
言われてお婆さんが私の入った籠を抱え、その部屋に入る。
「頼むから少し静かにしていてくれよ。」男性はそう言って部屋から出て、また二階に上がって行った様だ。
ドンドン!ガンガンガンガン!しばらくして上から凄い物音が。
「ゴホッ……ゴホゴホッ」お婆さんが何か苦しそうにしている?……。バタン!!お婆さんが倒れた?私は籠の中に入れられているから周りが見え難い。
私の周りに灰色の空気が……。少しずつ暗くなって…、やがて真っ暗に。
また一筋の光が見え包み込まれ、再び真っ白な世界に。