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入学式1
今日は入学式だ。雲一つない快晴。そして、そこに桜の花がヒラヒラと可憐に宙を舞う。今年は少し遅咲きだったので、桜の花がまだ残っている。今日は絶好の入学式日和だ。そして、周りからは入学を喜ぶ華やかな明るい声がたくさん聞こえる。
「はぁ」
しかし、私からはため息が出た。悪い意味でだ。正直、私はこの高校に入学するのはあまり喜ばしくなかった。なぜなら、私は中学までは私立の中高一貫の女子校に通っていたからだ。そこには仲の良い友達もいたし、何よりも学校生活が楽しかった。なのに、父親の方針で高校からこの高校に通うことになった。中高一貫校だったので、私みたいに高校から別のところに通うなんていう人はほとんどいない。でも、決まってしまったことは仕方がない。だから、もうくよくよする気持ちは捨てなければならない。それに、私がこの高校に入った目的は「楽しく学校生活を送る」ではない。そう、私は魔法を勉強しにきたのだ。風月院家の一員としてふさわしいように。
そう、私は思い直し、邪念を捨てた。そして私は、国立赤羽根高等学校に最初の一歩を踏み出した。