坊ちゃん帝王になる
パパスの軍団に守られた俺達は無敵だった、俺達を追いかけてきていた共和国軍は無数の魔導飛行船、金ピカの重騎士3万人、周りを固める無数の装甲馬車と地龍に引かれる移動要塞を見て蜘蛛の子を散らす様に逃げ出した。元々王国を滅ぼす程の戦力な軍隊を共和国が止めるのは不可能だった。
「全軍突撃、要塞都市を取り戻すのだ!」
「「「オオオオ~!!!」」」
勢い良くスマイル領の要塞都市に来て見たら既に誰も居ない、俺達の数と勢いに恐れをなして逃げたようだ。
「意外と荒らされて無いな、綺麗なもんだ」
「時分達で住むつもりだったんじゃないのか?」
「多分そうだろうな」
スマイル領の要塞都市に元の住民を住まわせて、俺達グラハム帝国軍は更に先に進むことにした。追いかけられた腹いせをするのだ、今度はこちらが追いかける番なのだ。
「それじゃ、スマイルちゃん。要塞都市の皆を頼んだよ。俺はチョット共和国を滅ぼして来るから」
「ご武運を祈っておきます、ゴールド様」
スマイル領をあっさり取り戻し、俺達は更に共和国の中心部に進軍して行くと勝手に相手が降伏してしまった。またもやグラハム軍は勝利してしまったのだ、どうやらグラハム王国は兵士を鍛え過ぎて敵が戦う気を無くしてしまう様だ。まあ、備えあれば憂いなしって言葉の通りだった訳だ。
「良いのか、こんなにアッサリ勝っても」
「良いんじゃないか、逃げてる時は結構危なかったぞ」
「勝てたのは長年苦労して兵士を増やして鍛えたからですよ。けっして楽はしていませんわ」
「そんなもんなのかな、でもこれって本当に帝国が出来ちゃったよね」
「うむ、出来てしまったな」
こうしてパパスが勝手に宣言して造った国、グラハム王国は2つの国を配下に加えて帝国になってしまった。造った本人もビックリしていた。
「え~嫌だよ、パパスがやってよ」
「儂もメンドくさいのだ、此処は学園主席のお前こそがふさわしい」
「そうよ、私達はノンビリしたいのよ、親孝行と思って頑張ってね」
大陸を統一して帝国を名乗ったパパスだったが、もう嫌気が指したらしい。就任1ヵ月で引退して俺を2代目皇帝に指名したのだ、勿論俺もそんな面倒な事は御免なのでパパスに頑張って貰いたいのだがパパスの意思は硬かった。
「おめでとうございます坊ちゃん!」
「子爵の第2婦人かと思ったら皇帝の第2婦人か、出世したなゴールド」
「嬉しいですわ、子爵から皇帝なんて伝説になる様な話ですわ」
「俺は子爵で充分だったんだがな~」
皇帝なんてやる気のない俺は軍事は第2婦人の魔王マーガレット、政治は第1婦人の腹黒マミ先輩に丸投げした。そして帝国は何時もの通り税金の安い短時間労働週休2日を宣言した。何故かこの政策が大いに受けて俺は賢王とか賢帝とか呼ばれる様になった。
まああれだな、税金を高くしたり長時間労働をさせて安い賃金で働かせる様な国は滅びて、俺の様に税金を安くして庶民が楽して生きられる国の方が栄えるって話だ。まあ当たり前なんだが、増税して低賃金で働かせる国は将来が危ないって事だ、何処とは言わないが馬鹿な連中が増税ばかりしている国が身近に有る様な気がするな。
こうして俺は皇帝だか帝王だかになってしまった、何の能力もなく嫁に守られていただけなのに不思議な事だった。一番意外だったのは民衆が俺が支持しているのだ、働くのが嫌いだから週休2日にして税金を払うのが嫌だから税金を安くしたのが好評の原因だった。それともう一つ、縁故採用を俺はしなかった、自分が楽できる様に優秀な人間を雇ったのだ、勿論貴族も平民もない完全に能力主義で選んだのだ。だって出来るだけ自分が楽したいからね。これが大いに受けた、そして帝国が物凄く強く豊かになった。そして俺は伝説となった。まあ元は親の金の力なんだけどね。
「2人とも有難うな、お陰で生き延びられたよ。皇帝は余分だったけどな」
「何を言うゴールド、礼を言うのはこっちだ。お陰で飢え死にせずに学園を卒業出来て、父上の村も救って貰ったのだ。地獄に行く時は一緒に行ってやるぞ」
「私もゴールドのお陰で商人の妾にならずに済んだわ、地獄の果てまで付いて行くわよ」
「ハハハ、俺の地獄行きは決定してるんだ・・・・・・笑えないな」
チート能力は親の金でした・・・・・・完
最後までお読みいただき有難うございました。チート能力の無い主人公を書きたくて始めましたが、強くない主人公は書きにくい事に気がつきました。まあ書く前に気づけよって話なんですけどね。
そこで今度は理不尽に強い主人公の話を始めます、多分こっちの方が書きやすいと思うのです。もしよろしければご覧下さい。作品名・東京魔法学園




