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チート能力は親の金でした  作者: ぴっぴ
第3章 ゴールド無双編
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卒業と結婚式と僻地

 中々濃い学園生活だった、訳も分からず1年生になり頑張っていたら腹ペコやマミ先輩と知り合いになって、それからトントン拍子に先生や学園長と仲良くなって有名人になってしまった。オマケに悪あがきで始めた事業が尽く成功して更に金持ちになるという出来すぎた3年間だった。思えばやはり腹ペコは俺にとって幸運の女神だったのかも知れないな、全ては彼女から始まったからな。

 そしていよいよ学園も卒業だ、卒業試験で最優秀卒業生となり卒業生代表となった俺は意気揚々とグラハム領に凱旋してきた。そして盛大な結婚式を挙げ領民達に祝福された。そして何時までも終わらない2次会も何とか無事に終えてゴールド領に引き籠もり、全てを部下に丸投げして楽チンな生活を送ろうとしていた矢先にその事件は起こった。


「ゴールド、なんか来てるぞ!」

「王族の使者だわ、王家の旗が立ってるもの」


「何の用だ?結婚のお祝いかな?」


 二日酔いでフラフラしながら使者の所に行った俺は王命を受けることになった。それはそれは嫌な王命だった。


「グラハム・ゴールド卿をエルグランデ要塞司令官に任命する」


「ぐは!」


「王命である!謹んで受ける様に」


 学園を卒業した途端にこれだ。王からの勅命なので断れば非常にまずいことになる。戦争には成らないかもしれないが領地を没収されたり爵位を返上したりする事成るだろう。

 これから俺の引き籠もり生活が始まるハズだったのに何でこうなったんだ・・・・・・そう言えば上級貴族達が随分大人しいと思ったらこういう嫌がらせを計画していたのか、それに王家がまんまと乗った訳だな。引き籠もり生活を粉砕された俺はショックで両膝を着いた、そして使者に土下座しながら王命を受けたのだ。


「謹んで、王命をお受けいたします」


「宜しい!名誉な事であるぞ、ゴールド卿」


 俺は顔を上げなかった、完全に頭に来ていたからだ。俺の引き籠もり計画を邪魔した連中全てに俺の怒りの鉄槌を喰らわせてやるつもりだったのだ。この屈辱と怒りを全て王家にぶつけてやるからな!見てろよ、必ずお前らの墓の上で一晩中踊ってやるぞ。


 使者が帰った後で俺の領内は大騒ぎになってしまった。なにせグラハム領の牽引役の俺が何処とも知れない僻地に飛ばされてしまうのだ、要塞指令官って事は戦争が起こった場合、命の危険だって有るかも知れないのだ。


「どうするんだ?ゴールド」

「折角の新婚生活が・・・・・・王家は絶対に許さない!」


「仕方ね~、行くしかね~な」


 うちの両親も激怒して王都に書簡を送ったが、王家の言い分は「優秀な子爵に功績を積ませる為」等と言う最もらしい返事だった。僻地とは言え要塞の指令官なのだ、卒業したての若造が成れるような地位ではないのだ、最も俺は既に子爵だから地位的には充分釣り合っていた。


 俺の考えでは大体王家の目的は3つだ。


1 俺を領地から引き離し僻地に送って嫌がらせをする。

2 グラハム領の発展の邪魔をする。

3 密かに俺を消し、グラハム領の発展の邪魔をして領地を奪い取る。


「多分、俺の考えでは3番だと思うぞ、王家って普段は馬鹿だがこういう場合だけ物を考えるからな」


「ぐむ~!卑怯な!」

「で?どうするの?」


「やっぱ情報収集かな?それから対応策を考えないとな~」


 その日からエルグランデ要塞についての情報を収集したが、俺の領内にはエルグランデ要塞を知っているものが居なかった。そもそもエルグランド要塞は王国の東の外れに有る未開の場所なのだ、俺達のグラハム領は西の外れにあるので丁度大陸の端と端なので情報がまるで無い状態なのだ。分かった事と言えば王国の国境に有る辺鄙な要塞らしいと言う事だけだった。


「不味いな、非常に不味い」


「だな、グラハム領から遠すぎる。これでは援軍が送れないでは無いか」

「こんな場所じゃ何か有っても分からないわね」


 俺は余りのショックでやる気が全く出なかった、それに引きかえ嫁2人は怒り狂っていた。新婚生活が王家によってぶち壊されたからだ。


「やはり使者の首をはねて、王家に送った方が良かったのでは無いか?」

「本当!この間の戦でつい手が滑って、王家を滅ぼした方がスッキリしたかも知れないですわね」


「まあ今更言ってもしょうがないな~、一応行くだけ行って、都合が悪くなったら逃げてくるよ」


 貴族の努めとか義務なんてものに興味のない俺は辺境の要塞がどうなろうと知ったことでは無かった。ただひたすら自分の身が可愛かったのだ、自分の造り上げた居心地の良い領地で美人の嫁2人とまったりしたかったのだ。


「はふ~、海の見える露天風呂も入り納めか~」


「元気を出せゴールド、何時もの強気はどうした!」

「そうよあなた、王家なんかに負けちゃ駄目よ!キッチリ仕返しするのよ!」


 今俺は海の見える露天風呂に嫁達と入っている。そうここは俺の領地、ゴールド子爵領の豪華な屋敷だ、俺が引きこもるために一番見晴らしの良い場所に大金をつぎ込んで建てたのだ。僅か2日しか住めなかったがな。


「はふ~、やる気が出ね~」


「フフフ、任せておけ!私が付いていって守ってやる!」

「それじゃあ私はバックアップ作戦を行うわね!」


「済まんな新婚早々から迷惑掛けて」


「何を言う、困難を2人で分かち合うのが夫婦と言うものだ!」

「私達は3人だけどね」


「やる気が出るまで頼むよ」


 そして次の日、俺は自分の護衛の騎士達10騎を引き連れてエルグランド要塞へと旅立った。美人の嫁2人と引き離され温泉も無い僻地へ赴任だ、ブラック企業の転勤族になった気分で俺は要塞へと向かった。


「クソクソ!くそ~おおおおお。俺の温泉が~!俺の嫁が~!毎日日曜日を楽しむハズだったのに~」


「坊ちゃん、泣きながら怒らないで下さい。諦めましょう」


「うう・・・・・・畜生!許さんぞ王家の奴ら」


 ゴールド子爵は泣き喚きながら自慢の装甲馬車と装甲兵員輸送馬車を連ねて辺境へと爆走していた。陣容は装甲馬車1台・連射型バリスタ1門装備と装甲兵員輸送馬車・10人乗り3台と言う陣容だ。お供の兵は10名だが輸送馬車には食料や武器がどっさり積んであった。いづれも4頭立ての馬で引く形の、高速移動可能なグラハム領の誇る新型戦闘用馬車だった。


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