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チート能力は親の金でした  作者: ぴっぴ
第1章 学園入学編
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男爵家令嬢

 次の日マミ先輩が家に来た。


「ぼっちゃま、マミ様がお見えです」


「へ~珍しいな、何しに来たんだろう?」


 先輩を出迎えに玄関まで行くと、マミ先輩が着飾って立って居た。見た事もない派手な衣装だ、普段は付けない装飾品も身につけていた。どっから見ても貴族の令嬢って感じだった。


「どうしたんです?先輩。気合が入ってますね」


「あなたのご両親にご挨拶に来たの、会わせていただけるかしら?」


「俺の両親に会って何するんです?只の田舎者ですよ」


「何言ってるの、あなたのご両親は王都でも超有名な貴族様なのよ!」


 何言ってるんだこの人って思ったがマミ先輩は嘘をつくような人じゃないので驚いた。俺の馬鹿親たちが有名人だったとは意外だ。もっとも騙され易いので有名かも知れないが。


「息子よ!準備完了だ、ダンジョンに行こうではないか。パパ、久しぶりにお金を稼いじゃうぞ~!」


 丁度その時ダンジョンに出かける準備をしたパパスがやって来た。革の鎧に槍を持っていた。元々は武勲を立てた騎士なのでオーク位なら軽いらしい。


「おやあ、この美人の令嬢は何かな?」


「まあまあ、美人の令嬢が家に来るなんて!母さん赤飯炊くわね!」


 ハンバーガーの下ごしらえをしていたママスも玄関にやって来た。汚れるので普段着にエプロンを付けた普通のオバちゃんだった。両親が出てきたので話が更にヤヤコシクなって来たようだ。


「お初にお目にかかりますグラハム子爵様。エドワルド男爵家2女のマミと申します、ゴールド様と親しくさせて頂いています」


 先輩はニッコリと微笑んでスカートの両端をつまんで見事な貴族の礼をした。でも何より驚いたのは俺の名前だった、皆が坊ちゃんと呼ぶのでボッチャンと言う名前かと思ってたら違った様だ。話からすると俺はゴールドって名前らしい。


「やるな!息子よ、大変な美人さんじゃないか!」

「母さん嬉しいわ!綺麗な娘が欲しかったのよ!」


 おいおい、あんたたち貴族なんだろ。軽すぎなんじゃないか。でもまあ5年前まで貧乏騎士だったのだから本来の姿はこれなんだろうな。


「ごめんな先輩、俺の両親って田舎者なんだよ」


「とても良い人みたいで羨ましいわ」


 折角来たのだからと居間でお茶にする事にした。出すのはパパスとママスがお土産で持ってきたコーヒーだ。商人から買ったけど苦いので全部くれるのだそうだ、因みに王都では上級貴族の飲み物なんだそうだ。


「どうぞ先輩、コーヒーです。砂糖とミルクも有りますよ」


「まあ、凄いわ!上級貴族でも滅多に飲めない幻の飲み物ね!流石はグラハム子爵!」


「ハハハ、幾らでも飲んでくれたまえ!安いものじゃよ」

「そうそう苦いから私達嫌いだわ」


 俺はコーヒー好きだから助かったけどまあ苦い飲み物だとは思う、受験勉強の必需品だけれども。因みに少しの分量で金貨1枚なのだそうだ、外国からの輸入品なので高いそうだ。ウチの両親は砂糖をドバドバ入れて飲んでいた。先輩は香りを楽しんだあとシズシズと飲んでいた、貴族とそこら編の平民って感じだったな。和やかに話をしていたが俺の両親は先輩を痛く気に入った様だ、帰るときにお土産を山程持たせていた田舎者は沢山お土産を渡すのだ。


「素晴らしいお土産の数々ありがとうございます」


「な~にそんなものなら沢山あるだっぺ!気にするなや!」


 パパスはとうとう地が出てくる来るようになってしまった。ママスもニコニコしてまた遊びに来るように言っていた。俺は3人の会話に入れないので黙っていた。


「さて、行くだっぺ!」


 それから俺は父上とダンジョンにオーク狩りに向かった。父は昔は領地の魔物や熊を狩って生活していたのだそうだ、田舎の領地なので食物が少なくて食うために頑張ったのだそうだ。


「うお~!3000ゴールド発見!」


 オークを見つけた俺は突進する。全速力でオークに向けて走り両手に持った棍棒でメッタ打だ、防御を無視した攻撃で相手を粉砕するのだ。今や棍棒ではなくマスコットバットサイズにまで強化された武器の前にオークはあえなく魔石に変わった、俺の攻撃力は既にDクラス冒険者と同等なのだ。


「ひどい戦い方だな、息子よ」


「そうなの?」


「うむ、ちょっと考えた方が良いぞ。それじゃあどっちが魔物か分からんからな」


「俺は冒険者ギルドで蛮族って呼ばれてるんだ、既に2つ名になってるよ」


「手本を見せよう」


 パパスは俺にそう言って次のオークに向かって行った。相手の攻撃をよく見て隙をついて槍で急所を突く戦い方だった。まあ当たり前だが理にかなった戦い方だった、俺には向いていないけど。


「へ~綺麗な戦い方だね父さん」


「これでも元は騎士だったからな、何でお前はバーサーカーみたいに成ったんだろうな?」


「やっぱあれかな~、拾った棍棒や石ころで戦っていたからかな?」


「そうか~、じゃあ今度いい武器を送ってやろう。一応貴族だから剣位は使えた方が良いぞ」


「それじゃ騎士の友達に習ってみるよ、やっぱり棍棒じゃ不味いもんな」


 そして俺達親子はダンジョンから出て魔石を金に変えに冒険者ギルドへ。そこで貰った金はパパスと山分けした、パパスは嬉しそうに1万2千ゴールドを財布に入れていた。物凄く膨れた財布の中身は金貨で一杯だった。俺の親ってどんだけ金持ちなんだろうな。

 そんなこんなで両親は1週間程王都に滞在して観光や王様に挨拶したりして領地に帰って行った。拍子抜けする程の只の田舎のオッサンとオバさんだった。だが直ぐに俺は両親の実力、と言うかグラハム子爵家の凄さを知ることになる。


 

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