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枕の下に 希望の上に(6)

心情図鑑

グラスから溢れた雫を

言葉に変えて広げる

こんな

生きる事に

無関係なこと

何で

やってるんだろうな

でも

あのグラスが

震えているんだ

やれって

やってみろって

後悔はさせないってさ

こっちの意思は無視して

まるで

濃縮された酸素みたいに




行きの公園で見た

何かを燃やす人

帰りの公園で見た

火を消して

何かを抱き締める人

服を見れば

燃やした本人だった

あのやり取りを

迷いだとか

浅はかだとか

意思が無いなんて思わない

あれが人だ

明確に人だって

言ってあげたいくらいに




心情図鑑

並べて

笑いながら見るのか

奥歯に力を入れて見るのか

真顔になった人間は

そんなに綺麗じゃない

何かを壊しては

諦めきれなかった

そんな人間も

そんなに綺麗じゃない

僕らは

綺麗だと言い張っているだけの

命の塵で

僕らは

綺麗だと言い張っていないと

生きては行けない

命の屑だ




バスの中のやり取りが

耳から離れない

席を譲るという

当たり前の行為だが

礼には礼で答えてくれた

あのお婆さんは

本当に嬉しそうに笑っていた

つられて

僕も何処かに置いてた

笑顔で返した

始まりはそうで

その後

一言二言

話をした

次の停留所で降りるから

ボタンを押す

「久しぶりに人と話した、ありがとうね」

お婆さんは言った

僕も

「こちらこそ、ありがとうこざいます」

なんて返した

何のありがとうか

わからなかったけど




心情図鑑

並べて

笑いながら見るのか

泣きながら見るのか

真顔になった人間は

そんなに怖くはない

何かをしては

馬鹿みたいに

呪文を唱えたとして

そんな人間も

そんなに怖くはない

僕らは

人の心情は怖いと言い張っているだけの

命の塵で

僕らは

人の心情は怖いと言い張っていないと

生きては行けない

命の屑だ




またグラスから

一滴溢れて

あゝあれをまた

繰り返すのだと

憂鬱になるのか

開き直るのか

あゝこれをまた

何処かへ排出するのだと

遣る瀬無くなるのか

存在する物として

押し出すのか

またグラスから

一滴溢れる

涙なんて生温い物じゃない

あれは

一体何だ




心情図鑑

並べて

笑いながら見るのか

吐き気を感じながら見るのか

真顔になった人間は

そんなに熱量は無い

歩く者として

生まれてくる

そんな熱量が無い

そんな人間に

何を感じると思う?

僕らは

温かい人間だと言い張ってるだけの

命の塵で

僕らは

温かい人間だと言い張っていないと

生きては行けない

命の屑だ


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