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公主
生母から見捨てられた公主に母を与えたく、主上は養母として熹嬪を指名した。彼女には女の子がいなかった。慎嬪も視野に入れたが、翁主の育児を考えて熹嬪にした。
ある日の夜、王妃が内人に耳打ちをした。内人は驚いて王妃の顔を見つめたが、鋭い瞳で直ぐに顔を逸らさせて部屋を後にさせた。
内人は敬慧公主が眠っている殿舎に向かうと火をつけた。王妃は公主の存在を消したかったのである。
煙に気づいた康氏夫人は人を呼ぶと公主を抱きしめて火の中を走り、大妃殿に逃げ込んだ。
「康夫人!どうしたの!?煤だらけよ!」
「放火にございます!公主媽媽のお命を誰かが狙ったのです!」
「義禁府を呼びなさい!康夫人、中へ」
公主は康氏夫人の腕の中ですやすやと眠っていた。その穏やかな寝顔に大妃は安堵のため息をついた。
殿舎の火は激しく、なかなか消えなかった。物陰に身を潜めていた内人が王妃のもとへ戻ろうとしたときだ。いつの間に義禁府の兵士に囲まれて身動きが出来なくなっていた。




