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告白

いきなりだが俺はかなりのめんどくさがりである。


それは前世でもそうでそれが原因で受験も失敗したし彼女にもふられたしなんども後悔してきた。


でも後悔するのは必ず後になってからでもう取り返しがつかなくなってしまっているんだ。


今回もそうだった。


始まりは訪問機が来てから三ヶ月ぐらいたったある日だった。


俺とハルとジャックはいつものように孤児院の庭で遊んでいるほかの子供達にのけものにされて仕方なく孤児院の裏の森まで来ていた。


「ネロウ〜もうハル疲れちゃ〜丘までちょおいよ」


相変わらずハルは可愛い。

実は普通にしゃべれるのにわざと舌足らずな感じで喋ってるって事が最近発覚したけどやっぱり可愛い。


「ハルもうちょっとだから頑張ろ?

丘についたら俺の秘密教えてあげるって約束したでしょ?」


「そうだぜハル!せっかくネロウが秘密教えてくれるっていってくれてんだからもうちょっと頑張れよ!」


そうなのだ。

俺はこの二人にだけは死霊魔法の事を伝えようと思っていた。

恐らくこの二人だけは俺のことを裏切ったりはしないと信じているし、二人に隠し事をするのが嫌になってきたのが大きな理由だ。


とまぁそんなことを話していたら丘についた。


丘の周りは木がほとんどなく誰かに見られる心配は少ない。


何よりこの丘は綺麗なのだ。


丘の上の大きな木を中心にほとんど円に近い感じで気のない場所があるのだが、そこには色とりどりの花が咲き乱れていてそこに柔らかなお日様の光が降り注いでいてなんとも天国のような景色が広がっている。


「きれー、ネロウなんでこんな場所してちゃのに隠してちゃの?」


「そうだぜ!俺たちに内緒でこんな場所に来てたなんて狡いぞ!

おれたちは友達だろ!」


二人は不機嫌そうに言ってくる。


「ごめんごめん。ここは俺も最近見つけたんだよ。

でも人を連れてきたのはお前等が初めてだからな。」


この言葉を聞いて機嫌を直したのかジャックはしょうがないな〜とか言いながら少し口角が上がっているし

ハルに関しては完全に照れてニヤニヤしている。


「で、俺の秘密の件なんだけど、これは今まで誰にも言ったことがないことだしこれからもお前等以外には言えないことだと思う。

だから絶対ほかの人には言わないと誓って欲しいんだ。」


「ハルは〜ネロウが嫌がるこちょはしにゃいの。」


「おう!仲間だけの秘密なんてワクワクするじゃねぇーか!

それにちょうど俺もネロウ達に伝えたいことがあったんだよ!

ネロウのあとにいうがこれも秘密にしてくれよな!」


二人のセリフを聞いて俺も勇気が出てきた。

これでもしこの二人に怖がられたり嫌われたりしたらその時は俺は孤児院を出て死霊魔法使いの集団のところに行こう。

そこなら俺はもう捨てられないだろうしな。


「そう言ってくれて安心したよ、

実は俺は死霊魔法が使える。」


『……………』


しばらくの沈黙が俺たち三人のあいだに流れる。


やはりダメだったか…


「ネロウしゅご~い!」


「マジかよ!これで孤児院の奴らとか見返せるな!」


「えっ?お前等怖くないのか?」


俺がびっくりして聞き返すと二人はキョトンとした顔をして俺に答えてくれた。


『なんで?ネロウはネロウでしょ?』


俺は初めて自分の居場所ができた気がした。


ダメだ涙が出てくる。

俺なんだかんだでずっと不安だったんだな…


「二人ともありがとう。

これからもずっと宜しくな!」


「ネロウ〜にゃかにゃいで〜ハルはずっとネロウと一緒だよ?」


「泣くなよネロウ!

俺らはこれからもずっと一緒だ!」


俺はこの時最高に幸せだった。

そして最高に愚かだったんだ。


すぐ近くの大きな木の上に人が居たことに気づかなかったのだから。

そしてその人は俺の命の恩人でもあった人で、俺から平和を奪う人にもなるのだから…

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