もう一度とか…
俺は急流をどんどん下っていくとそこは真っ白な世界が広がっていた。
「じゃっじゃ~ん女神さま登場~♪
どう?ビックリした?ビックリしすぎて声もでない?」
こいつはなんなんだろう?
見た目は金髪巨乳のお色気バリバリの姉ちゃんだ。
顔は少しつり上がった目が冷たい印象を与えるが整いすぎているくらいに整っている。ここまでいくともはや情欲の対象にならないな。
しかし残念なことに頭に栄養がいかなかったらしい。
見た目が抜群なために余計と痛々しい。
今時新興宗教でも自らを女神などとふざけたことは言わないだろ。
「ねぇ?私の話聞いてる?」
「あっ、すいません聞いてませんでした。しかし私は死んだようですので宗教はちょっと…」
そういえばこれが俺のはじめての台詞だな。
嫌だな…
「ちっが~う!そんな話じゃないよ!
もう一回言うからね!貴方自身も自覚してるように貴方は死にました。でもなんだかわからないけどもう一回やり直せることになったからね。それでこれから生きたい世界の話を聞くよってとこ」
お願いだからその容姿で子供みたいなしぐさはやめて欲しい。
違和感しかない。
「じゃあスキルや経験値、レベルのあるような世界で。」
「りょうかーい!ほかに希望ある?」
意外に良い奴じゃないか子どもっぽとこも可愛らしいし。
「俺に才能をつけることは可能ですか?」
そう言えば俺今どんな姿なんだ?体の感覚ないんだよ体の感覚ないんだよな。
「それは無理だよ~魂に才能ってのは宿ってるから不可能です。努力で何とかしてね。」
体の前に腕を交差させてバッテンを作りながら言いやがった。
自分の年考えろよいくら見た目よくてもキモいんだよケチ女。
「あっ!あとさっきから失礼じゃない?
そんな失礼な君には~お仕置きだ!」
「ぐぁぁぁぁ」
いままで感じたことのない激痛が俺のからだを貫いた。
体あるのかは分からないが…
とにかく苦しいヤバイしぬ。
「アハハ、死ぬわけないじゃんもう死んでるんだから~」
笑いながらも全く止めてくれる気配がない。俺はもう意識を失いそうだ。でも体がないからそんなことは起きない。
「あっ!ごめーん止めるの忘れてた♪」
あ~もう喋るのめんどいから思うだけで良いかな?
「全然懲りてないでしょ~!まぁ良いよ」
では改めて聞きたい希望とはどのようなことが通るのですか?
「才能とかは無理だけどね~生まれくらいならどうにかできるよ!身分が違うと全然違うからね~」
じゃあそこそこの貴族の三男辺りで頼む。貴族の家を継ぎたくはないし長男のスペアとして過ごすの嫌だからな。
「りょうかーい!じゃあいってらっしゃい♪」
そこで俺の意識は途切れた。
「変な魂だったな~……我の世界を面白くしてくれよ。楽しみにしているぞ。」
という女神の呟きを聞かないまま。