反トスーゴの狼煙④
艦隊が宇宙空間を進む。突然光が現れ、全滅する。
その映像を見ているスペースインパルスクルー。
ここは中央作戦室。
アランが「隣の銀河からの攻撃です。距離約75万光年。ジグの言う通り、我々をこのアンドロメダ銀河に閉じ込めておくつもりなのかもしれません」
「これが銀河跳躍砲か」明は初見だ。
「今のは50分前の映像です。その2分後には・・」
アンドロメダ銀河内の惑星。
その近くの空間が開く。まばゆい光が現れる。
駐留していた<スペースインパルス2>がスーパーノヴァボンバーを発射する。
両者は衝突し激しい爆発が起こるが、惑星は無事だ。
「主要惑星にインパルス2を派遣していてよかったですね、副長」
「すでに百発近い着弾を確認しています。もちろん破壊された惑星もあります。着弾8秒前に特殊重力波を認めています」
「ワープと同じく探知可能というわけか。だが8秒じゃ迎撃は難しい。インパルス2は自動迎撃でなんとか対応できたようだが」
ロイとサライが退艦し、グレイは戦闘長に明は航行長に昇進している。
「発射エネルギーにより次弾発射までの時間は異なるようです。先程の攻撃間隔は2分でしたが、惑星破壊クラスの攻撃後37分33秒間次の攻撃はありませんでした」
「驚異的ね」
そう発言したのは機関長に就任したリベラだ。
「リベラさんはボクシングされてましたか?」明が訊く。
「?・いいえ」名前で人を判断するのはやめよう。
流艦長が口を開く。
「ワープするエネルギー兵器は我々にもある。だが驚異的なのはその射程と精度だ」
「威力もね」マーチンが加える。
「砲自体は<アフロディーテ>のホワイトホール砲と同じもののようです」
「へえ」
「アンドロメダ銀河周囲に強力なセンサーが張りめぐらされています。これで宇宙船のような小さな標的をキャッチします。銀河内のセンサーは我々が大半を破壊したが銀河外までは手が回っていない。それにキャッチされると自動で発射されるシステムです。キャッチから着弾まで30秒」
流は腕組みをして「インパルス単艦でこの銀河跳躍砲を破壊せよとの命令だ」
「いえ、できれば破壊せず奪取せよとの事です」アランが補足する。
「簡単に言ってくれる」
「言うのは簡単だ。私でもできる」
「またあいつ。あいつらがアンドロメダの銀河跳躍砲を破壊せず奪っていれば、こちらから攻撃できたのに」リベラはラプトンが嫌い。
「修理しようとした友軍は何度も攻撃されました。M33の銀河跳躍砲を何とかしないと我々は何もできません」
「ムチャや」弱気のマーチン。
「へっ、のぞむところだ」強気のグレイ。
「複数の目標をキャッチした場合、どれを優先して攻撃するのか?近い方?エネルギーの大きい方?それはわかっていません」
リベラが手を挙げる。
「銀河系の銀河跳躍砲は?砲自体は使えなくてもワープトンネルとしてアンドロメダまで行けたんでしょ?M33と距離は変わらないから、行けるはずよね」
「メンテナンス中だそうです」
「使えねー」
ジグは画面を切り替える。星図が映し出される。
「隣の銀河にも同志がいます。これが銀河跳躍砲のある惑星ギガロの位置です」
「対策は?」
「センサーを一つ一つ破壊していくのが確実ですが、キリがありません」
流は腕組みをして、静かに言う。
「連続ワープで接近、奇襲攻撃するしかない」
<スペースインパルス>はワープブースターを取り付けている。
メインブリッジ。
「副航行長エヴァンスです。よろしくお願いします」金髪巻き毛の白人男性。背が高い。
「副戦闘長のアベルです。よろしく」屈強な黒人男性。二人ともイケメンだ。
エヴァンスは明の、アベルはグレイの部下になる。
「サブレーダー担当のユンです」ワンレンのアジア系美人。緑髪巨乳のカノンと共にクリスを助ける。
三人は以前より乗艦していた。メインブリッジで新しく乗艦したのはリベラ機関長だけだ。
「メインブリッジ兼務になりました。山岡麗子です。通信補助担当します。よろしくお願いいたします」
驚く明にクリスが説明する。
「各ブロックに医療班を配置する事になったの。彼女優秀だし。副長のお気に入りなの」
「へえ」ちょっとうれしい。
残念ながら常にここにいるわけじゃない。交代制で出張みたいなものらしい。
プログラムを組むシャーロットは「私も職場復帰よ」
「望は?」
「Q先生や葵ちゃんの所」
明は前を見つめる。
「・・美理、君の声が聞きたい。君のナビで自由に飛びたい。君は今どこで何をしているんだ」




