第七章:種
それから間もなく、午後の日差しが少し和らぎ始めた頃、ライラと俺は農場での最初の大きな挑戦に備えていた。旅と午前の仕事の疲れが肩に重くのしかかっていたが、広大な畑の光景と心に秘めた決意が俺を突き動かしていた。
ライラは少しせがんだ後、「気をつける」という約束で、搾りたてのまだ温かい牛乳を一口味見することに成功していた。彼女はその牛に早速「ブチ」と名付け、その目新しさで完全に元気を取り戻したようだった。「セレン、これ世界で一番おいしい牛乳だよ!」と、子供だけが持つ絶対的な確信を込めて断言した。
「重労働の準備はできたかい、小さな農家さん?」俺は古樫の村で買っておいた小さな麦わら帽子を彼女に手渡しながら尋ねた。ライラが帽子をかぶると、少し大きすぎて目の上までずり落ち、それが彼女に愛らしくも真剣で、どこか不器用な雰囲気を与えていた。「準備万端!」と彼女は叫び、俺が彼女の小さな手に合わせて柄を短くしてやった小さな鍬を握りしめた。
俺たちは畑へ出て、目の前に広がる雑草の海と対峙した。午後の暑さはまだ感じられたが、穏やかな風が吹き始め、土と乾いた葉の匂いを運んできた。「さて、最初の仕事は一番面倒なやつだ。こいつらを全部引っこ抜く」と、俺は自分の鍬で頑固な草むらを叩きながら言った。「こいつらは、俺たちの作物の食べ物を盗もうとしている弱くてうっとうしい盗賊だと思え。追い出してやるんだ」
作業は骨の折れるものだった。元冒険者の力を持つ俺は、リズミカルで効率的な一撃で雑草を攻撃し、根こそぎ大きな草の塊を引き抜いていく。一方ライラは、麦わら帽子をずらし、純粋な集中から舌を歯の間に覗かせながら、驚くほどの熱心さで小さな雑草に立ち向かっていた。時には綺麗な花を一緒に引き抜いてしまったり、自分の足にもつれて転んだりもしたが、決して諦めなかった。俺は微笑みながら彼女を見守り、優しく正してやった。「そいつじゃないよ、おチビちゃん。その小さな花は友達だ。そのままにしておけ。でもあっちのやつは」と俺は指差した。「葉が尖ってるやつ、そいつは盗賊の見張り役だ。引っこ抜いていいぞ」
「ふぅ!セレン、これすっごく疲れる!」しばらくしてライラは息を切らし、地面に座り込んで赤くなった顔を帽子で扇いだ。「盗賊たち、すごく強い!」
「これが土の仕事ってもんだ、おチビちゃん。でも、この後に来るものを考えてみろ」俺は水筒の水を一口飲ませながら彼女を励ました。「この雑草を一本一本抜くたびに、美味しいものが育つ場所が広がるんだ。ジャガイモ、トマト、イチゴ…」
家の近くの広い範囲を何時間もかけて綺麗にした後、俺たちは最初の畝の準備を始めた。鍬を使って黒い土を掘り返すと、その豊かさが現れた。泥だらけの小さな手で、ライラは大きな土塊を砕くのを手伝い、それが粉々になると笑った。買っておいた肥料を混ぜ込むと、その強い匂いにライラは鼻をしかめた。「うわっ、セレン!なんて臭いの!」
「これが土の秘密のスパイスさ」と俺は説明した。「これが全部をすごく強くて美味しくするんだ」
「さあ、楽しい時間だ。種まきだ!」俺は買ってきた種の袋を手に取り、宣言した。俺はライラに、指で土に小さな穴を開ける方法を、穴と穴の間に適切な距離を保ちながら見せてやった。「種が眠って育つための、小さな隠れ家みたいなもんだ」と俺は言った。彼女は畏敬の念を込めて、一粒一粒の種を丁寧に置いていった。俺たちはレタス、カボチャ、トマト、キュウリの列を作った。そして最後に、イチゴの種を。
「これは特別だぞ、ライラ。小さな宝物みたいなもんだ。ちゃんと世話をすれば、甘くて真っ赤なイチゴが手に入る」
期待に目を輝かせながら、ライラは植えられたばかりの土を見つめていた。「セレン」と彼女は子供らしい焦りを声に滲ませて尋ねた。「明日にはもう大きくなってる?朝ごはんにイチゴ食べられる?」
俺は笑った。心の底から湧き出る、本物で温かい笑い声だった。ふかふかの、耕したばかりの土の上に彼女の隣に座った。「いや、おチビちゃん。植物は俺たちと同じなんだ。強くなるには時間が必要なんだよ。赤ん坊みたいに小さく生まれて、大きくなるためには太陽と水と…たくさんの世話が必要なんだ」
俺は空を指差した。「太陽が温かい抱擁みたいに熱をくれる。俺たちが水をやって、喉が渇かないようにする。そして土が栄養、つまり植物のご飯をくれるんだ。でも、我慢が必要だ。最初の実を収穫するには、数週間、もしかしたら秋の初めまでかかるかもしれない。でも待つ価値は絶対にある、約束するよ。お前が今まで食べた中で最高のイチゴになる。俺たちが世話をしたんだからな」
ライラは少しがっかりしたようだったが、やがて頷いた。「じゃあ、毎日お世話する!お水をあげて、早く大きくなるようにお話しかける!」
「それはいい考えだ」俺は彼女の帽子の下から髪をくしゃくしゃにしながら同意した。
俺たちは太陽が沈み始めるまで働き、最初の畝を眺めた。夕暮れの金色がかった斜めの光が谷に長い影を落とし、黒く耕された土をより豊かで希望に満ちたものに見せていた。俺たちは疲れ果て、頭からつま先まで泥だらけで、正直で満足のいく労苦に筋肉が痛んでいた。しかし、そこに並んで立っていると、忘れられたダンジョンの金貨の山が決して与えてくれなかったような、深い達成感が俺たちの内側を温めていた。
「今日はいい仕事をしたな」俺は背伸びをしながら言うと、背中が抗議と安堵の音を立てて鳴った。
ライラはあくびをした。体全体が震えるほど大きあくびで、俺の腕に頭をもたせかけた。「私たちの畝、世界で一番きれいだね、セレン」と彼女は眠たそうな確信を込めて言った。「それに、お腹が熊みたいにぐーぐー鳴ってる。お腹ぺこぺこ!」
俺は笑い、彼女の泥だらけの髪をかき混ぜた。「じゃあ、そのお腹の中の熊の世話をしに行こうか」
その夜、残りの肉とたくさんの焼きたてのパンが入った濃厚なシチューという簡素な夕食が、俺たちの疲れた体には本物の饗宴のように感じられた。その後、大釜から湯気が立ち上る熱い風呂は、神々の贅沢のように思え、泥と疲労の大部分を洗い流してくれた。ライラは体を乾かし終えるのがやっとだった。俺が彼女をベッドに寝かせると、まぶたは重く、言葉はすでにもつれていた。
枕に頭を乗せたとほぼ同時に彼女は眠りに落ち、俺の隣で静かに寝息を立て始めた。その穏やかな音は、俺の人生における最新で最も貴重なメロディーだった。それから間もなく、外で雨が降り始めた。最初は小雨だったが、やがて屋根と窓を絶え間なくリズミカルに叩く音になった。それは歓迎すべき音、大地の子守唄、俺たちが植えたばかりの種への祝福だった。
俺は目を閉じ、疲労で重くなった体がマットレスに沈んでいくのを感じた。清潔なシーツと空気中の雨の匂いが心地よかった。筋肉がようやく緩み始めた。眠りに身を委ねようとした、その時だった。ほとんど。
なぜなら、疲労の濃い霧の中でも、二十年近くにわたる危険と眠れぬ夜によって研ぎ澄まされた俺の本能は、頑固な歩哨のように警戒を続けていたからだ。何かが…おかしい。
俺は部屋の濃い闇の中で突然目を開けた。雨音は絶え間なくリズミカルなカーテンのようだったが、俺を完全に目覚めさせたのはそれじゃなかった。
別の音だった。
訓練されていない耳にはほとんど聞こえないような、微かな物音。だが俺には、嵐の単調さを切り裂くように鋭く、はっきりと聞こえた。階下から聞こえる、低く、慎重な軋み音。家が落ち着く木の軋む音ではなかった。俺はその音を知っている。これは意図的だった。抑えられていた。そして、ためらいがちにキッチンの床を引きずるような、微かな音。
「何の音だ?」
血の気が引いた。瞬時に全ての疲労は消え去り、背筋を駆け抜ける電気的な緊張に取って代わられ、腕の毛が逆立った。数日前に消えた昼食の残りを思い出した。俺はそれを何かの動物の仕業だと思っていたが、あの音は…動物の音じゃない。あまりにも慎重すぎる。
あれは風じゃない。古い家が立てる普通の軋み音でもない。俺は息を止め、耳を澄まし、全身全霊を最大限の警戒態勢に置いた。誰かが…あるいは何かが…家の中にいる。