第二章:出会い
月が暗い空に銀色の円盤として浮かび、サンダーと俺が進む道に長い影を落としていた。ヴァローリアの門を後にしてから数時間が経過していた。
空気は冷たく、唯一の音は固い土の上を歩く馬の蹄の音と、木々の間を吹き抜ける風の遠い囁きだけだった。
俺はそよ風の谷への道のりの半ばにいると計算した。
ギルドの警告によれば、俺が足を踏み入れた地域は、ほんの数日前に大規模な怪物狩りの舞台となった場所だった。ゴブリンの群れや、さらに奇妙な生き物が何体か一掃されたという。
「もう安全なはずだ」と俺は思ったが、冒険者としての本能は鋭いままだ。
俺は影を観察し、怪しい動きに注意を払っていた。旅の疲れと空腹が重くのしかかり始めた。道の脇に、いくつかの古い木々に守られた小さな空き地を見つけた。
夜を過ごすには良い場所のようだ。長年の経験からくる効率の良さで、俺は馬から降り、サンダーを木に縛り付け、小さな焚き火を起こし、簡単なテントを張った。
すぐに、温められた干し肉とパンの匂いが空気に満ちた。簡単な夕食の後、俺は焚き火を消し、弱い熾火だけを残してテントに入った。
地面は硬かったが、ダンジョンの石の上や木の枝で寝たことのある者にとっては、ほとんど贅沢だった。俺は横になり、手をクロスボウの近くに置いた。これはなかなか捨てられない癖だ。眠りが訪れようとしていた時、それを聞いた。
「今の音は何だ?」と俺は思った。
物音だ。
乾いた葉が擦れる音、小枝が折れる音。サンダーではなかった。
動物か、あるいは中型の怪物のように思えた。「生き残りのゴブリンか?」と俺は自問し、心臓が速くなるのを感じた。
静かにクロスボウを手に取り、それを構え、テントの入り口の隙間から覗き込んだ。
暗闇の中を小さな人影が動いているのが見えた。ためらいがちに、かつて焚き火があった場所に近づいていた。
輪郭ははっきりと見えなかったが、大きな脅威となるには小さすぎるように思えた。それでも、俺はクロスボウを向けたままだった。その姿は立ち止まり、かつて食べ物があった場所の空気を嗅いでいるようだった。近くにいた。
俺は息を止め、引き金に指をかけた。
その時、声が聞こえた。
弱く、震えていて、ほとんど風に運ばれる囁きのようだった。
「誰か…誰かいますか?」
それは子供の声だった。
俺はクロスボウを下げ、衝撃が体を駆け巡った。ゆっくりとテントの入り口を開けて外に出た。
その姿は怯えて縮こまった。月の淡い光の下で、はっきりと見えた。
それは女の子だった。茶色い髪と、同じ色の瞳をしていた。七つか八つ以上には見えなかった。
髪はもつれて葉っぱだらけで、服は汚れたぼろ切れ、そして体は恐ろしいほど痩せていた。
腕や顔には引っかき傷や痣があり、その大きくて窪んだ瞳には、どんな子供も知るべきではない深い悲しみ、痛みが宿っていた。
「おい」俺は、彼女を怖がらせないように、思ったより優しい声で言った。「怖がらなくていい。傷つけたりしないから」
女の子は俺を見つめ、目を大きく見開いて、いつでも逃げ出せる態勢だった。
「大丈夫か? お腹は空いているか?」俺はゆっくりと動きながら続けた。「食べ物の残りが少しある。欲しいか?」
食べ物という言葉が、恐怖の一部を打ち破ったようだった。彼女は、ほとんど気づかれないほどの動きで頷いた。
俺は取っておいたパンと干し肉を一切れ取り、彼女に差し出した。
女の子は野生動物のように用心深く近づき、震える手で食べ物を受け取ると、むさぼるように食べ始めた。
「ゆっくり食べなさい」俺は助言した。「名前は? 小さな子」
彼女は飲み込み、空腹と涙でかすれた声で言った。
「ライラ…」
「俺はセレンだ、ライラ。どこから来たんだ? ご両親はどこに?」
その質問を聞くと、ライラの瞳は涙でいっぱいになった。言葉は嗚咽の合間から漏れ出た。
「私たちは…旅を…でも…怪物たちが…」彼女は続けることができなかった。涙が彼女を襲い、絶望的な泣き声、喪失と恐怖の音が響いた。
喉に塊ができた。俺は、その地域で「怪物」が何を意味するのか知っていた。
俺は、それらの涙が何を表しているのか知っていた。考えることなく、心の奥深くから、おそらくは俺自身の孤独な子供時代から来る衝動に動かされ、彼女に近づいた。
「大丈夫、もう安全だ…」
俺はひざまずき、優しい仕草で彼女を抱き上げた。
ライラは一瞬身を縮めたが、その後、予期せぬ温かさと安全を感じて、俺に強くしがみつき、俺の肩に顔を埋めた。彼女の小さな嗚咽が、そのか弱い体を揺さぶった。
俺は彼女を抱きしめ返し、そのもつれた髪を撫でた。何も言わず、ただその静かな夜の暗闇の中で、彼女の涙に慰めを与えた。