06 小人牛の新鮮なミルク
ビタのいる妖精の里には、小人牛という種族がいます。
小人牛長屋に住んでいる、二本足で歩く小さくて愛らしい牛さんたちです。
ビタたちはその小人牛さんたちからミルクをもらっています。
そのお礼に、彼らの主食である食べれるお花などを贈るため小人牛長屋に来たビタ。
対応してくれたのは丸い顔の小人牛、メリコ。
メリコはとても気さくで、話しやすい感じがしたので、ビタは聞いてみました。
「本当に、胴体をねじってミルクを出すの?」
「そうなのよ~、ハピネスミルクよ」
「たまごで生まれるの?」
「そうよ、わたし、産んだばかりの今最新の女よ」
「じゃあ、最近のミルクはメリコさんのミルクなの?」
「そうねぇ、多分、そうね」
「美味しいミルクをありがとう、これ、珍しいお花、お礼に贈ります」
「あら、ありがと~、いいツボ知ってるじゃなーい」
「お子さんのお名前はもうつけられたの?」
「どちらでもいいように、アシュミにしたの。
父親は不明ってことになってるから、ひとりでつけたわ。
小人牛はなかなか寿命短いから、たまごの時点で名前つけるのよ」
「そうなんだぁ・・・もう、殻から出てきたの?」
「もうすぐよ~」
それからメリコと仲良くなり立ち話をしていると、ルーアンがやって来ます。
「メリコ~、あら、おったまげた、ビタも、いるでねぇの」
メリコと料理番のルーアンは知り合いで、三人は立ち話に花を咲かせました。
珍しい花シュアザローナ、あけびもどき、しその花、香草のたぐいの話。
それから空想屋係のフセンの話になり、お腹がすいてきました。
「もう、もどらねっど」
「そうなの?残念だわ」
「とにかくありがとう」
「空想屋係のフセンに会ったら、いつもお話ありがとうって言っておいてちょうだい」
「了解」
帰りにメリコの新鮮な感じ成分の入った小人牛たちのミルクを分けてもらい、
居住区に戻ると、料理番たちが忙しそうに活気を飛ばします。
ルーアンと他の男妖精たちは鍋を洗わない代わりに、食材調達もしています。
お届け係として一緒にミルクを運んだビタは、はちみつをひとくちもらいました。
美味しさに笑いが出てきて肩をすくめるビタ。
ミルクがそろい用意ができると、料理番が歌を始めるよ、と言いました。
ルーアンが、「聞いていけ」と調理場にビタを入場させました。
「何の歌?」
「スィートポテトポタージュの歌だ」
ビタは興味津々に、聞き入ります。
『 甘いイモを 洗いまして 切りまして
魔法でもって チン を して
蒸かしまして
あらめに つぶして 鍋の中の ミルクに入れて
コンソメの もとを入れて 火にかけて
塩こしょうで 味を ととのえ
混ぜて 煮る
そしたら
できあがり
器にうつして 乾燥パウダー
パセリか バジルを かけまして
そしたら
できあがり 』
歌のレシピ通り作ったポタージュに、わぁ、と感動の声を出すビタ。
ルーアンが、「席をうつすぞ」とテーブルを示します。
スープ皿に入ったポタージュに、乾燥バジルをお好みでかけたビタ。
スプーンですくって一口食べると、「でっきあがっり~」とぼやきます。
隣にいるルーアンが笑い、周りが驚いています。
美味しくてありがとう、とビタが言います。
いい、いい、とルーアン。
ふたりは顔を見合わせ笑い合い、ビタはなんだか面白い、と声を上げました。




