25 熱っぽい
ビタの部屋には、珍しくもシャコ貝でできたベッドがあります。
そこには天蓋があって、ヴェールがかかっています。
部屋はビタの趣味で彩られていて、壁にお手製の『押花画』なんかが飾ってあります。
テーブルには草で編んだテーブルクロス。
その上には物作りの妖精たちがくれたレア度の高い溶けて見える花瓶。
そこに花が飾ってありますが、それはドライフラワー。
なぜなのかと言うと、それは若き魔法使いエリアドルからもらったもの。
ひそかにその蝶々花をドライフラワーにしておいてあって、青がくすんできています。
そしてエリアドルがビタに贈ったペーパーフラワーがソファーに置かれています。
ソファーは「ふわふわ」と呼ばれる植物素材でできていて、座るとふわふわ。
そして「ふわふわ」は素材として、ベッドや枕にも使われています。
その上に眠っているビタは、どこか幸せそう。
寝息まで可愛いビタは、ふと目が覚めて、苺ミルク色の前髪を払いました。
するとそこに、美味しそうな匂いがただよっています。
部屋に誰かがいるようで、そしてそれはコビトウシのメリコでした。
メリコは「ああ、目覚めたのね。交代で様子見ていたの」と優しく言いました。
ぐぅ、とビタのお腹が鳴ったのは自然とお腹が空いていたから。
自分のお乳で作ったハピネスミルクティーと、
常備してある薬草クッキーを棚から探しだしビタにすすめるメリコ。
「紅茶にお砂糖は必要?」
「たっぷり」
「うんうん。私は最新の女よ、なにが起きてるのか気づいていますからね」
渡された甘いハピネスミルクティーを飲み始めたビタの側に座ったメリコ。
思わずため息を吐いて安心すると、ビタの美しい瞳から涙がこぼれました。
「メリコ・・・私・・・」
「気づいてる。彼が妖精になることはないからね。里を出てお嫁にしてもらいなさい」
ビタはメリコに抱きついて、大泣きをしてしまいました。
一方エリアドルは、頭を打って気絶気味だったものの、なんとか峠を越えました。
「また魔法力がアップしているみたいだ・・・ああ、どうしよう?ベイビー・・・」
「どうした?」とオジのアリアス。
「なんだか予感がするんだ」
「どんな?」
「もうすぐ、赤ちゃんができるっ」
「やっぱり何かしたんか、お前っ?」
「え?覚えてない・・・したかもしれない」
アリアスは大きなため息を吐いた。
「桜色髪と出会うと、色んなことが起こりすぎる気がする」
「不吉、って言ってるんじゃないだろうな、おじき?」
「違う。どう想って良いのか分からないんだ。不吉だとは思ってない」
「・・・まさか、おじきは、ビタがありえるのかっ?」
「いいや、気にするな。したんだろう?」
「・・・もう少し眠る」
「ああ、そうですか。アリアスは寝ずの看病でしたけどね」
「じゃあベットの端に・・・」
「イヤじゃっ」
周りにいた妖精たちが、「なんで?」と顔を見合わせ不思議そうにしました、




