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02 機嫌時計の歯車



 天界にて、いい年になって来た樹の枝に、腰かけている美少年。


 そろそろですかね、と機嫌時計が彼に聞くと、彼は静かに目を伏せた。


 かちり、と秒針が音をたて、歯車型の時計が、時は満ちれり、と言った。


 すると樹の枝から、雲を思わせるほどの満開な花があっという間に咲きだしました。


 蝶が三匹飛んできて、素敵だ、綺麗だ、美しい、と言いました。


 そこにいくえにも尾を持つ、大きい鳥がやって来ました。


 美味しそうだねぇ、と言ったあと、料理っていうものでもしてやろうか、と言います。


 すると三匹の蝶たちが笑い出しました。



 言の葉の樹から咲いた、花曇り。


 それを見つめ、人型の『彼』は言いました。



 運命の欠片花ひとつ、命運の欠片花ひとつ、否運命の欠片花少し。


 言の葉の樹の花曇り、風に乗って届くだろう、その香りの気配。


 海と空と陸と風、花と月、鳥・・・蝶々。


 それでもまだ欲しいかもしれないのは、きっと言の葉だ。


 海と空と陸と風、花と月、鳥、蝶々、それだけでは言葉が足りない。


 その美しさを表に現したいと、たいがいが想っている。


 しゃれてる言葉は流行りだしたが、駄洒落の類はいかなものか。


 神風は分かりやすかろが、花風を匂うと言う言い方、認めるが好かぬ。


 そこの美しき鳥、カワよ、鳥と言う字はチョウとも呼ぶ。


 かちょうふうげつ。


 下の世界にいるものたちは、何ととらえるのだろう?


 まぁ、知ってはいるのだが。


 初めから終わり、その間まで我は知っているが、意外が起こる。


 だから、否運命を少し咲かせてみた。


 カワよ、その美しい尾に乗せ、歯車時計を運びたもう。


 雲間に隠しながらが、よかろうて。


 機嫌時計を操れたら、我を思い通りにできると勘違いしている者がいるからだ。


 そしてこの花の香りが好きだと言ったそこの蝶たちよ、『導き』を司りなさい。


 働く分、代わりに蜜をやろう。


 秘密の蜜は甘美だよ、これからのことを少し教えてあげる。


 もう、知っているだろう?



 三匹の蝶は、素晴らしい、と感動しました。


 あなたに仕えまする、と蝶たちは言います。



 赤い蝶、黄色い蝶、青い蝶。


 それをまとめると、価値観、って名前だ。



 私達の名前は、別の字で書くが「かちかん」って響きだ。


 面白い。


 これは駄洒落ですか、全知全能よ。



 いいや、言葉遊びとか、掛け言葉と言う。


 さて、そろそろ事情を知った者達の相手だ。


 いつかこれを書きだす者がいるだろうが、言っておこう。


 我、全知全能は、良いことにしか興味がない。


 そして善い事しか、我はしない。



 今、私達に言ったんですか、と蝶たちが聞く。



 届けたも。


 今、かちょうふうげつの、チョウの字を、どちらにするか天が考えている。


 いずれ知れる。


 神の使う言葉を、人型に授けた時から、決まっていたことだ。


 そして我はそのことを、知って、いた。 

 

 

 眠りについた歯車時計が再び起きる頃、言の葉の花風が息吹いている。


 起承転結を歯車時計が授けようぞ、


 機嫌には期限があるからのう。


 区切りの良いところ、そう、ここらで、この章を区切りなさい。

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