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19 キラキラ



 里の広場にいたのは、乙姫という髪型の青年アリアス。


 とりあえずそちらの方に向かった外交役たちは、アリアスの額に驚きました。


 アリアスは人型の美青年で、額に角を持っています。


 自己紹介を終え、さっそく情報交換がはじまります。


 小人牛を珍しがったアリアスが、粉ミルクの技術はあるか聞きました。


 それはなに、とメリコ。


「粉でできたミルク。もしくはミルクが粉になったもの」


 自分の空想に驚きすぎて、あんぐりと口を開けると、のどが鳴るフセン。


「ババァ?」


 そうつぶやくと、フセンはしばらく動けないようで口を開いたままでした。


 ――

 ―――――・・・


 妖精の里の『苺沢』、そこにはベリーズがいっぱい。


 赤い苺、黒い苺、青い苺、そして黄色い苺などがあります。


 ビタは苺沢に到着し、誰もいない気がするその場所に鼻歌を聞きます。


 鼻歌をくちづざんでいる人物は、長い灰色髪の少年でした。


 黄色い苺をつんでいくつも食べています。


「ちょっとっ・・・ちょっと、君っ」


 思わず木陰から飛び出したビタが周りを飛び回ります。


「これって美味しいね。キラキラ味がする」


「そうね、でも食べすぎないでっ」


「少しもらってもいい、って」


「なぜ?」


「あれ」


 ビタを見ずに夢中で黄色い苺を食べている少年が、指を差しました。


 そちらを見てみると、大きな布の上に、黒い苺がわんさか落ちています。


 しかも食べ頃だけです。


「あれはあなたが手伝ってくれたの?」


「そう。お礼にちょっと食べていいって」


「まって、黄色い苺をあんまり食べたらいけないのっ」


「なぜ?」


「死ぬのっ」


「おおげさだなぁ」


「違うっ」


 黄色い苺を口の中にさらにほおばろうとした少年が、やっとビタの方を見ました。


 ビタの姿を見て、少年は動きを止めました。


 ビタが、「あっちのほうの意味よっ」と言うと、少年はうしろに倒れて気絶しました。



「みんな、どこに行ったのよっ?」



 ビタが叫ぶと、木陰に隠れていた食料調達係たちがビタを手招きで呼びます。


 彼らの姿を見つけたビタがそこに飛んで行くと、そこから妙なものが見えました。


 そいつが何者か分からなくて怖いんだ、と食料調達係たち。


 ビタはまじまじとその存在を見て、ちょっと話してくる、と近づきます。


「ねぇっ」


「ん?」


「あなたは、何?」


「ああ、マサユメって名前じゃ」


「なんなの?」


「エリアドルの妹が作ってん、わしのこと」


「君、魔法のかかった、なんなの?」


「ぬいぐるみ」


「なるほどね。それで、エリアドルって誰?」


「ん・・・?なんで倒れてるのーーーー?アリアドールっ」


「ああ、このひとのことなのね」


 どうやら倒れた少年の名前はエリアドル。


 その者を心配して駆けていく黄色いクマのぬいぐるみには、魔法がかかっています。


 ビタは少し考えたあと、とりあえず誰か頼りになるひとを呼びに行こうと


 苺沢を飛び出しました。

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