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01 羽根をなくした妖精
魔法の国の、とある妖精の里に、ビタという女の子の妖精がいました。
少し変わり者の彼女は、花畑に遊びに行くと、一匹の蝶に出会います。
彼女は根気よく蝶に言葉を教え、蝶と話せるようになりました。
ただ、蝶の言葉は彼女にしか聞こえません。
ある日遠出にでかけたビタと蝶。
ビタは、はしゃぎすぎて木の枝に羽根をひっかけ、やぶいてしまいました。
妖精は、羽根を失くすと死んでしまいます。
そして地面に落ちて衰弱した彼女に、蝶が言いました。
私があなたの羽根になろう。
目が覚めたビタは仲間たちにより家に運ばれていて、
気づくと蝶の羽根を背中に持っていました。
ビタは泣きました。
「名前くらい、知りたかった」
大丈夫、側にいる。
どこかで蝶がそう言った気がしました。
「一緒に生きるんだ、って言ってくれてるんだね」
しばらくして元気を取り戻したビタは、
羽根まで変わっているね、と嫌味が得意な妖精に言われました。
ビタは笑顔で、「信頼できるいい羽根よ」と答えるのでした。




