7. ライバルたちの実力査定
さて、このあたりで、DVDで見た出場バンドの演奏や曲についての感想を述べたいと思う。
「バンド」とは言っても、その曲は、1/3がアイドルポップ調、1/3がフォークソング調、残り1/3がとりあえずロックに分類できる曲だ、と思った。
ロックンロールの大会じゃなくて、「バンド」の大会だから、別に文句はない。また、この大会は、プロダクションが「売れる」バンドを選びたいのだから、ロックンロールは今売れてないから、この大会に優勝するためにはロックンロールな曲じゃない方がいいのかもしれない。
さらに、その中で聴くべき演奏は一握りだけだ。全国大会という選ばれた場所でもスタージョンの法則は成り立つようだと思った。
たくさんのバンドの中で、私が注目したバンドは以下の通り。
まず、DVD映像の最初の方に収められた5つのバンド、Top 5は文句なしにすごい。
その中でも特に注目のバンドが2つ。
Beautiful Bloody Birds。
大人の女性の魅力を前面に押し出した、実力派バンドだ。ギターが2本の5人構成で、手慣れた感じですごい演奏をしている。曲もいい。この一曲だけの勝負ならダントツのトップだろう。
みんなに「晴れた日の午後に月がみえる」とどちらが上かと聞いたら、全員がこちらが上と言った。
あと3曲が問題だが、ライブとかばりばりやってそうだから、いい曲をたくさん持っていそうな気がする。
一番の優勝候補と思うバンドだ。
スレイリー(sleily)。
ゴシックロリータの黒い衣装を身に着けて、クールにかっこよく演奏する高校生バンドだ。高校生のくせに難しい演奏を難なく弾きこなしている。ボーカルの凛とした声が、アイドルポップ調の曲とマッチして、思わずサイリウムを振りたくなる感じがする。もうこのままメジャーデビューしても人気がでちゃうんじゃないかと思わせるバンドだ。
Top 5以外で、もう一つ。
ガルバン。
たぶんガールズバンドの略だと思う。
ガルバンも高校生バンドだ。
丸っこいかわいい子たち5人で構成されたバンドで、演奏はすごく下手だ。でも、一生懸命なところと、さえない男の子を励ます女の子の心情を歌うフォークソング調の素人っぽい曲、甘ったるいかわいいコーラスがその下手さにマッチして、なんだかいい感じなのだ。
若葉も悪くないと言った。
ところが、女子たちに、ガルバンっていいんじゃないか、と聞いたら、男に媚び媚び、とかで非常に評判が悪かった。DVDの登場順がWBSYより早い点も不満らしい。
意見を否定されたのがちょっと癪で、WBSYも美少女バンドなんだから、こういう方向性もあるかも、とか冗談で言ったら、うちの女子たちは「はあ?」とか言って相手にしてくれなかった。いや、さとみんは「・・・」なんだけど。
ともかく、女子には人気はなさそうだが、男子には受けが良さそうな将来性を感じる高校生バンドであり、同じ高校生主体のバンドであるWBSYのライバルになるだろうと思った。
あとは、そう、うちの地区の2位だったというタイガーキャッツの4人も悪くない。乗りのいい明るいロックで、聴いていると気分が良くなってくる曲だ。
みんなが言うには、予選会場で色々と世話になったらしい。やさしいお姉さんたちだとか。
28のバンドの中から、決勝に残れるのは、6組だけ。
予選の時からどのくらい実力が伸びているのか、ほかの3曲がどんな曲なのか、そうしたことによって優勝の行方が左右されるであろう、まったく予想が困難な状況だと思った。
私たちWBSYは、決勝に残る可能性を信じてベストを尽くすしかないと改めて思うのだ。




