31. 紅緒の重大な発表
ある晩の遅く、机の上のPCが、紅緒からメッセージが来たことを通知した。
開いてみると、その他3名も参加している。
紅緒「タイガーキャッツのブログをみた?」
和田っち「みた」
若葉「みた」
さとみん「・・・」
和田っち「大会のPが演奏を聴いて激励してくれたとある」
千草先輩「タイガーキャッツってなに?」
若葉「うちの地区の2位バンド」
和田っち「わたしらは聴かなかったのに」
若葉「やっぱり差があるな」
さとみん「カツ丼だし」
千草先輩「そんなことで落ち込むな。前評判が低い方が有利なこともある」
和田っち「そうかな」
若葉「そうかもね」
さとみん「・・・」
紅緒「そうよ、大会でひっくり返しましょう」
若葉「そうだね」
千草先輩「その意気だ」
和田っち「よし、目にもの見せたろう」
さとみん「・・・」
紅緒「ところでみなさん。次回集合した時と思っていましたが、全員そろっているので、ここでひとつ重大な発表をしたいと思います」
千草先輩「なに???」
さとみん「?」
和田っち「そうそう」
若葉「ああ、紅緒が生徒会長になったよ」
紅緒「9月から生徒会長です」
千草先輩「は?」
さとみん「?」
紅緒「いろいろ忙しかったのですが、これでバンドだけに集中できます」
和田っち「期末は?」
若葉「おい」
千草先輩「生徒会長とはご苦労様・・・」
紅緒「えへん」
千草先輩「でも、ロックが体制側ってなんだか矛盾しない?」
和田っち「ああ?」
若葉「そう言われてみりゃ・・・」
さとみん「??」
紅緒「そんなことはありません、めざすのはバンド禁止の撤回と、軽音部の復活です」
千草先輩「そんな公約で選挙戦を勝利したの?」
和田っち「そんなことは一言も言ってなかったけど」
千草先輩「公約してないことをやっていいの?」
紅緒「大丈夫。生徒会にリコール制度はないし、幹部は身内で固めますから」
若葉「身内?」
和田っち「まさか、私たち?」
さとみん「笑」
紅緒「えへへ、よろしくね」
いろいろと忙しい中、なんとか、私は前期の試験を再試験1科目で乗り切ったのであった。再試験は夏休み明けに行われるので余裕で合格できるであろう。
ほかの4人もどうにかなったとのこと。つまり、夏休みに補習に出て来い、とか言われない得点をとったということだと思う、ただし、詳細は聞いてないけどね。
さあ、大会まであと2週間である。




