58、とりあえず診察に行こうとしたら・・・。
1日が経ち、次の日。
私は爆弾大好きっ娘ことニトロちゃんの研究室の前にいた。
「ニトロちゃーん?約束の時間過ぎてますけど?」
そう、あの変態ちゃんと昨日、時間を決めておいたのに平気で破ったんだけど・・・。
これは処していいよね?
「鍵が閉まってるけど・・・。扉の鍵はね、あってないようなもんなんだよ」
私は鍵がかかっている扉を力によるゴリ押しで破壊した。
「おーい?いる?」
中に入ると、いつも通り爆弾が出迎えてくれる。
と思っていたが・・・。
あれ?
例の爆弾がない?
研究所内が少しおかしい気がする。
気配が少ない気が・・・。
気になるから研究室の奥まで歩いてみることにした。
すると、そこには―――。
「えっ?」
―――ニトロちゃんが血を流して倒れていた。
「ちょっと?大丈夫?」
取り敢えず、脈を見てみる。
・・・無いね。
一応呼吸は・・・?
・・・こちらもしていない、と。
うーん。
死んどりますね。
「そうと分かったら簡単っ!『蘇生』」
私は《森羅万象》の内包スキルの一つである『蘇生』を使った。
「うぅ・・・」
「おっ。起きたみたいだね。記憶の欠如とかは無いよね?」
「あなたは・・・あぁ。異花さんですか。私のメルシーちゃんは無事ですか?」
こいつ、起き上がって早々に放つ言葉がそれかぁ・・・。
「まあ、無事ではないね。一応奪われているよ。多分。というか身体、大丈夫?」
「ご心配は無用。身体等よりメルシーちゃんの方が重要です」
「ちょっと待って」
私はニトロちゃんを静止させる。
「襲撃者の人達が一人残っているみたいだね。今も、ニトロちゃんの命を狙っているよ。・・・」
その時、『パァン』という乾いた銃声が鳴り響く。
「こんな風にね」
そして私はそれを手を振りかざし、止める。
物理法則?
そんなものとっくの昔に捨てたよ。
「なっ・・・!?」
いつも思うんだよ。
「襲撃者って自分より格上に襲撃して返り討ちにあっている時大体『なっ・・・!?』って言うよね」
「急に何?」
「何でも無い。ただの独り言」
私は襲撃者が割ってしまったであろうガラスの破片を拾い、投げる。
「おっ。ヘッドショットだ!」
見事ヘッドショットを決める。
ちなみに威力強すぎて頭を貫通しちゃったよ。
あっ。データ抜き取るの忘れてた。
「まあ、外にも何人かいるようだし。そいつ等から抜き取れば良いか」
「ひぇっ」
「ん?あ。そう言えばニトロちゃんいたね。大丈夫?」
まあその本人は私を見て震えているけど。
「そろそろ行こうか。診察をするために」
色々とチートな異花ちゃんです。
微戦闘回でした。




