57、その対価・・・冗談だよね?
遅れて申し訳ないです。
「喋ることが出来ない、病ね・・・。私なら治すことができると思うけど、どうする?」
あちゃー地雷だったか・・・。
と思いながら私は俯いている彼女に聞く。
「・・・お願いします。治してください!メルシーちゃんと戯れる時間を差し上げますのでっ!」
いや、その時間はいらないんだけど・・・。
「まあ治すけどさ、タダで治して貸しを作るのは嫌でしょ?だから、何か対価を出して?」
少し言い方は悪いが、私だって初めて会った人に貸しは作りたくない。
だけど・・・。
「メルシーちゃんと戯れる権利はどうでしょうか」
・・・冗談だよね?
「一応言っておくけど、それは貴方にしか対価にはならないかな」
「がーん」
えぇ・・・。
本当に対価になると思っていたの・・・。
「ま、まあ。お金とかでもいいけど?」
「ちょ、ちょっとお金は・・・」
「まさかお金がないとか言わないよね?一応研究員はかなり給料良かったはずだけど?」
確か給料は年収で金貨の上の単位である大金貨の更に上の単位の白金貨が15枚貰えたはず。
日本円で年収1500万円だからこの世界ではかなり少数の金持ちの部類になる。
「えへ、えへへ。メルシーちゃんを作るのに使っちゃいました」
・・・。
この変態、やっぱり爆弾しか考えてないね。
「お金がないなら、別のものを対価にしてもらうよ」
「でも、待ってください。本当に治すことができるんですか?」
あ、冷静になったっぽい。
「高名な医者に診てもらいましたが、問題は無いと言っていました」
「それじゃあ、一度私が診ようか?」
「・・・成果があるかは分かりませんが、お願いします」
何にせよ、状態を診ないと何も始まらない。
「いつ診ようか?」
「明日にここでお願いします」
「了解。そういえば、名前を聞いていなかった。何ていう名前なの?」
「私は、ニトロです」
ニトロちゃんね。
「私は海鳴異花。よろしくね」
私達は固く握手をした後、離れていった。
「ニトロちゃん。どこかで見たことのあるような・・・?ま、いいか」
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???視点
「あの二人が接触しましたか。驚いてくれると良いですね。・・・それにしても、あの子ならきっとあの子も救えるんでしょうね・・・」
新作投稿しました。
『堕ちし天使は禁忌の箱を解く』です。
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今後も週一投稿でいきます。




