52、記念すべき第一回目の授業をしよう!
ついに待ちに待った私の初めての授業を行う日がやってきた。
この日のために本気を出して準備したんだから。
最初の授業の待機場所は教室で、必要な戦闘の道具を持って待機してもらった。
「よーし。皆いるね!じゃあこれからお世話になると思う助っ人を紹介するね。月夜、カモン!」
すると月夜が教室の外からトコトコと歩いてやってきた。
可愛い。
「私は月夜。異花お姉ちゃんの妹です。あなた達を補佐する役目を承りました。よろしくおねがいします」
すると皆して首を傾げた。
「この子が僕たちの補佐をするんですか?まだだいぶ幼いと思うのですが」
「見た目は、ね。今、眼の前にはもっと見た目詐欺な私だっているでしょ。そもそもSSランク程度の実力は持っているし。」
そう言いながらも少し舌を出す。
SSランクというのは嘘。
本当は、それよりも遥かに強い。
そもそもSSランクという物が滅多にお目にかかれないから皆驚いているが。
「準備は出来た?じゃあ場所まで転移するよ」
そうして向かった場所は私が創造したダンジョン。
その名も・・・。
「”海龍のダンジョン”だよ!」
海龍です。
誰がいるかはもう解るよね。
「”海龍のダンジョン”?そんなダンジョンなど聞いたこと無いぞ」
「文献にも記されていないダンジョンか・・・?」
「記されているわけ無いよ。何故ならこのダンジョン、私が作ったもん」
「なっ!」
「え?」
「そんなことが・・・」
皆いい反応をしてくれる。
こういう反応をされると嬉しくなるよね。
「まあ、この授業が終わったら破壊するけど」
「ダンジョンは国の貴重な財産では?」
「うーん、ここどこの国にも属していない場所だから大丈夫。海の上だし」
「そうですか・・・」
うん。
そろそろ説明に入ろうかな。
「と、言うわけで説明を始めるよ。月夜、スイッチオン!」
「はーい」
私が合図をすると、事前に用意しておいたスイッチを月夜が押す。
すると、どこからかスクリーンが表示される。
「まずはこのダンジョンの構造について説明するね。このダンジョンは全10階層からなるダンジョンで、5階層には中ボスが、10階層にはダンジョンボスがいるよ」
スクリーンにダンジョンの3D構造図を映しながら説明を続ける。
「1〜4階層と6〜9階層にはそれぞれフロアボスというのがいて、中ボスやダンジョンボス程ではないけど、その階層ごとの特徴に沿ったボスが出てくるよ。ここまででなにか質問は?」
「ボスたちの強さってどのぐらいの強さですか?」
スミラちゃん・・・。
私がやったことに驚きすぎて、口調が元に戻っているよ・・・。
まあいいか。
「フロアボスはSランク下位程度で、中ボスはSランク上位程度。ダンジョンボスはSSランク程度だよ」
「程度と言えるところが凄い・・・」
うん。
自分でも少し傲慢だと思っている。
「ま、まあそろそろ攻略を始めてもらおうかな」
なにかいい忘れているような・・・。
あっ!
「言い忘れてたけど、このダンジョンでは何度死んでも生き返るからね。ちょっと試すから見といてね」
私はゴブリンくんを創造してダンジョンに突撃させる。
「いけっゴブリンくん!頑張ってきてね」
「何で何もないところからゴブリンが出てくるんですかね・・・」
皆呆れて、なんか言ってるけど無視無視。
私の感覚で少しすると、ゴブリンくんがフロアボスに負けたらしく、ダンジョンの目の前に現れた。
「ね?だからこのダンジョンでは死に放題。ただ、何度でも生き返ると言っても油断はだめだからね」
「じゃあ攻略、頑張ってね。何かあったら私まで。ダンジョンの中では外界の時は止まるからどれだけ長く居ても大丈夫だよ」
私は停止された世界でも全然、停止されていない世界と同じように感じることができるし、動けるから結構待つことにはなりそうだけどね。
「じゃあ私の記念すべき第一回目の授業、始まり始まり〜」
次回は2/28です。
最近のこじはインフルにかかりました。
体がだるいです。
少し補足を。
このダンジョン内にいるとき、外は時が止まるというものですが。
二人の人が居て、そのうちの1人がダンジョンの中に入るとすると、入った1人がどれだけ長くこのダンジョンにいても、出てきた時には残った一人が感じる時間は1秒も経っていないという感覚になります。
(入ったらすぐ出てくるような感覚です)
ちなみに異花は停止空間でもへっちゃらなんで、かなり待つ羽目になります。




