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イカ戦士 〜水中の生物と共に行く異世界冒険記〜  作者: のこじ
第三章 ”混沌の時代”(カオス・ワールド)
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閑話、学園の試験の裏側で

3人称視点です。

時系列的には31話辺りです。

ある日、ルベフォード帝国第1学園の学園長室ではスクイが皇帝からの手紙を受け取っていた。


「異花様が来られるのか。採用したいが、試験を受ける必要があるんだよなぁ・・・。何だったら学園長の座もお渡ししていいが断るだろうな・・・」


スクイはしばらく考えた後、試験を受けてもらうことにした。


〜試験当日 会議室〜


異花との面接を終えた教員達は会議をしていた。


「面接の態度はよろしいかと。後は実技ですな」

「学園長は実技は本気でやれと仰っていました」


すると、会議室がざわつき始めた。


「あの学園長が本気でやれと・・・?」

「はい。死んでも知らんぞとのことです」


今度は誰が行くかで議論になったが、結局教員の中で武術、魔法、スキルに最も秀でた者が試験監督として行くことになった。


〜闘技場で〜


一人目の魔法の教師が監督として闘技場にやってきた。


彼はかなり緊張している。

エルフとして生きてきて初めてのことだ。


学園長は今まで1度も『本気でやれ』と言ったことがない。

彼の見たことのある特別推薦された教師すべては冒険者で例えるとSランク下位並の強さを持つ教師だった。

そういった人でさえ、『程々に手加減してやれ』とのことだったのだ。


実は彼はSランク上位並の強さを持っている。

そんな彼に本気でやれという事は少なくともSランク上位並の実力があるということになる。


まあ実際は全ての世界最強クラスの実力があるのだが。

そんなことを学園の一教師が知る由もない。


「では標的に好きな魔法を打ってください」


彼は《魔法攻撃耐性》のスキルを持つ亀の甲羅を用意した。

この亀の甲羅はスクイが取ってきたものであり、スクイの魔法でも耐えられたという代物だ。

傷を付けるける事ができても魔法で破壊とまではできないと彼は思っていた。


異花が魔力を練り上げると、彼はその膨大な魔力量(無限)に愕然とした。

そして、初級火属性魔法『ファイアーボール』を打ったのだが緻密な魔力操作術により圧縮された『ファイアーボール』は甲羅を貫通してしまった。


彼は空いた口が塞がらなくなった。

眼の前で魔力操作の訓練を毎日している自分よりもすごい技術を見せつけられたからだ。


試験の結果を待つ異花が待ちきれなくなり、試験監督の人に先に聞いた。


「あの〜、結果の方はどうなんでしょうか?」

「ご、ごご、ごご合格でしゅ」


彼はそう言うしか無かった。

得意とする魔法の技術のすべての面で異花に劣ってしまったからだ。

これより後、異花に追いつこうと彼が魔力操作の訓練を更に励むようになったのは別の話。


しばらくすると、スキルの試験の監督がやってきた。


スキルの試験監督は、前回の特別推薦枠で無事合格して採用された監督となっている。

彼女は世間一般には珍しい固有スキルの一種である、エンシャントスキルを持っている。


「好きなスキルを使用してください」


彼女はそう言った。

実は彼女は少し自分のスキルについてプライドがあった。

それは《死霊術》というスキルで、エンシャントスキルの中でも上位のスキルに当たる物となっている。


そんなスキルを持っていたが、異花に披露されたベヒモスの死骸のジョ●ョ立ちには自らの敗北を認めざるを得なかった。


まあ異花は勝手に勝負をしかけられて勝手に負けられたことなど気がついていないが。


まあ彼女は負けた気分になり、震えてしまった。

《死靈術》のスキルを更に練習することによって、彼女のスキルが進化したのはこれから半月後のことである。


「あの〜結果の方はどうなんでしょうか?」

「ご、ごご、ごご合格でしゅ」


というやり取りが終わった後、最後の監督がやってきて、異花の前までやってきた。


彼は巨人族である。

そして4メートルの巨体で尚且つ筋肉が凄いことになっている。


傍から見れば4メートルの大男に見た目が少女な異花は勝ち目がないと思う。

まあ異花は既に転移かと思う速さで移動して首元で刃を止めているのだが。


「あの〜結果の方はどうなんでしょうか?」

「ご、ごご、ごご合格でしゅ」


この後、彼は速さを求めて下半身の筋肉を重点的に鍛えるようになったとか。


3度目のやり取りが終わった後、監督たちは再び会議室に戻った。


〜会議室〜


帰ってきた三人の様子を見た教師陣は彼らを質問攻めにした。

そして、異花の強さをはっきりと実感した。


「まさかこの3人に負けたと思わせるなんてな・・・。どうだったんだ?強さは」


「あれは人の領域を超えている。最早、神並の強さがあると思う。俺は昔神・・・と言っても下級神だが、正面から魔力を当てられて、その魔力の量に気絶してしまったことがある。彼女は魔力を温存していたのだろうが、それでもかなり離れていたのに意識が飛びそうになった」


「私はかなりレアなスキルを持っていたと思っていたんだけど、そのスキルの下位スキルでそのスキル以上のことをされて負けた気分になったわ」


「おでは何もできなかったべ。早すぎて見えなかったべ」


三人の感想を聞いた教師陣は、そんな強い教師が来ることを素直に喜んだものの、不安も抱えることになったらしい。

次回、新章

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