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イカ戦士 〜水中の生物と共に行く異世界冒険記〜  作者: のこじ
第三章 ”混沌の時代”(カオス・ワールド)
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34、邪神魔帝王

毎日投稿4日目です。

窓に人が張り付いて叫んだ。


「伝令!学園に邪神魔帝王が襲来しました!」


その前になんで張り付いているのかな?

まあ置いておいて邪神魔帝王?

ラドラが言っていた奴?

スクイがまっさきに反応した。


「邪神魔帝王か。生徒たちの避難を!」


生徒たちの避難を優先できるようになるなんて偉いね。

スクイ(戦闘狂)のことだから、邪神魔帝王とすぐに戦いに行くかと思ったけど。

まあスクイも頑張っているから私()もちょっと力を貸しますか。


「カイ、行くよ!」

「りょーかい!」


私達は邪神魔帝王が出現したと思われる場所に転移した。


「あれが・・・」

「邪神魔帝王?」


そこには・・・月夜がいた。

なんで?


「異花。とっととやっちゃうよ!」

「カイ!ストーップ!」


カイが不満そうな顔をしているが、月夜を殺すことは私が許さない。


「なんで月夜がここに?」

「お姉ちゃんがかまってくれない」


そういう問題!?

それだけで学園に襲来したの(来たの)!?


「ねえ異花。このスライム誰?異花の昔の姿に似ているけど・・・。邪神魔帝王なの?それともただの異花の知り合いなの?」

「あーカイ。なんというか・・・。一言で表すならば、()()”従魔”かな?」


と言うか月夜が邪神魔帝王!?


「月夜。邪神魔帝王って月夜のこと?」

「まあ巷ではそう呼ばれているらしいよ。そんなことよりも、何で私を放置するの?もっとお姉ちゃんは妹に構うべきじゃないの?」

「一日放置しちゃったのはごめん!」


あれ、月夜ってこんなキャラだっけ?

もっとお姉ちゃんお姉ちゃん言っているかと思っていたんだけど・・・。

はっ!?

もしや月夜は・・・。


「貴女、月夜っていうの?私はカイ。異花の親友だよ!」

「カイね。わかった。でも、私はお姉ちゃん一筋」


そういうことではないと思うんだけど。


「いや、普通に友達になろうと思っただけなんだけど・・・」

「友達は良いけど、姉妹はだめ。姉はお姉ちゃんだけ」


血の繋がりは()()無いけどね。


「月夜ちゃんは異花が大好きなの?」

「うん!大好き!具体的には、その見た目に反する美しさと敵に対する残酷さ、仲間には優しく!どんなときでも私をかばってくれ、私のことを常に考えており!圧倒的な力を用いて敵を虐殺し!優しき心を持つ者には慈悲を与え!その美しさですべての人に癒やしを与える聖女でもあり、全てを守り、聖なる神の力を扱う勇者でもあり!すべての種の頂点である神を超えし存在で!・・・」


話を盛らないでほしいな・・・。


「ストップ!ストップ!ちょっと長い!」

「お姉ちゃんの良い所はまだまだあるよ!」

「それでも話を結構盛ったでしょ」


盛り過ぎは良くない。


「そんなことはないよ。お姉ちゃんは至高の存在なんだから。愛されるべき!だけどっ!お姉ちゃんが愛してくれるのは私だけでいい!」


・・・。


「・・・(ねえカイ)」

「・・・(どうしたの異花?)」

「・・・(月夜ってやっぱり・・・)」

「・・・(そうだよね。せーのっ!)」


カイと口を揃えて言った。


「「月夜ってシスコン!?」」


私は正直驚いている。

月夜が邪神魔帝王だったときよりもだ。


あれ・・・?

月夜が邪神魔帝王なら、月夜に魔物の強化をやめてもらえば。万事完結なんじゃ・・・?


「ねえ月夜。ガバダナ帝国をボコボコにしたり、シュドース王国、ハルサーム王国を滅ぼしたり魔物を強くしたりしたのって月夜だよね?」

「うん」

「なんでやったの?」


やめて貰う前に聞きたい。

止む無くやったなら、まだわかるけど・・・。

くだらない理由はやめてね?

やめてね?


「お姉ちゃんが封印されて私は封印を解こうと思ったけど、解けなかったからこんなお姉ちゃんがいない世界なんていらないって思ってやったの。お姉ちゃんのためなの」


・・・。

そんなにかわいい目で見つめても何もないからね。

と言うか理由くだらなさすぎるでしょ!


「月夜?それはね。私のためになっていないの。私のことを大事に思ってくれるのは嬉しいけどね。私がちょっと封印されて解けないからって世界を滅亡させようとしないの。もっと他の方法を考えてよ。私の封印が解けななら、みんなに協力してもらうとかね。この世界には私の知り合いと友達が多いんだから」

「そんな・・・。お姉ちゃんのためだと思っていたのに・・・」


悲しそうな目で私を見つめないで!

許したくなってしまうから。

でも、それとは別で本当に、罰は与えなければならない。


「月夜。罰を与えるね。悪くない人を沢山殺してしまったんでしょ。罰は与えなければいけないの。―――それが”理”だから」



本当は与えたくないけどごめんね。



「私、月夜は異花様の罰を受け、贖罪をするために異花様に仕えます」

「私、異花は月夜に罰を与え、月夜が私に仕えることを認めます」


これは一種の儀式で、”理”に向かって誓う。

私はともかく、月夜は”理”に誓わなければ、転生するときに”罪”を負う。

そのせいで月夜は大罪を全て背負って生きているのだろう。


私は罰として月夜に3つの誓約を与えた。


1、汝、力を弱者に振るうべからず。

2、汝、悪を打ち払い、正義を貫くべし。

3、汝、善行を積み、贖罪をすべし。


これらの誓約を破らずに10万年間続けると、罪が許される。

誓約をしてもらった後、魔物の強化をやめて貰った。

これで一安心かなと思って、カイの方を見ると・・・。


「あのー異花?こいつどうすれば良い?」


そこではスクイがカイに拘束されていた。


「異花様!そいつは危険です!邪神魔帝王です!離れてください!」

「あ〜。邪神魔帝王だけど、もう贖罪をさせはじめているから。大丈夫!」

「大丈夫じゃないです!」

邪神魔帝王は月夜でした。

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