25、再会からのこんにちは
兄がダンジョンマスターになってた。
うん。
なんで?
兄の名前は、海鳴海徒。
ただの大学生だった。
以上。
「なんでお兄ちゃんはダンジョンマスターになってるの」
「そりゃあ、成り行きで・・・」
「成り行きで普通はなれないと思うんだけど」
どんな成り行き!?
「っていうか何で異花がいるんだよ?それに、異花・・・お前、姿変わりすぎじゃね?」
「すみませんね、転生で」
と言うかこの見た目になって私と疑わなかったことが凄いな。
「いや、生きていてくれて嬉しいんだけど・・・。ってお前年齢いくつだよ?元の年齢の17歳に今の年齢、15ぐらいか?を加算して中身の年齢32かよ?」
おい。
女の子の年齢を聞くのは禁忌だぞ!
「はあっ!?外見の年齢で見間違うなぁ!この世界に来てから・・・まだ体感は4年しか経ってないから」
「体感?じゃあ実際は?」
「・・・1000歳ぐらい」
「は?もう1回言って」
恥ずかしいからもう言いたくない。
「だから、1000歳ぐらいだって」
「1000!?何でそんなに生きてるんだよ」
「仕方ないでしょ・・・封印されてたんだから」
邪神の奴のせい。
「封印?なんかやらかしたのかよ」
「何もやらかしていない。ただ、胡椒を取ろうと思ったら、邪神の野郎に封印された」
胡椒のせい?
「邪神の野郎って・・・一応神なんだろ?勝てなくて当然じゃないか?」
「いや、そんなことない。完全にやられた。何?『ステータス消去の秘宝』って、そのせいでステータスを奪われて、やられたんだからね」
ステータス今ないからね!
今はか弱い女の子だよ!
「ステータスを奪われたって・・・そんなに強かったのか?」
「まあぼちぼちかな。一応精霊神だったし」
まあちょっと周りより強かったぐらい?
「精霊神?」
「今は、元精霊神だけど」
「お前・・・神だったのかよ」
神です。
「転生のときに精霊に転生したからね」
「まじかよ」
まじです。
「そういえば、いつここに転移したの?」
「つい一ヶ月ぐらい前だな・・・」
〜約一ヶ月前、海徒視点〜
俺は、海鳴海徒。
異花の兄だ。
この前異花達が修学旅行中で行方不明になった。
心配だ。
できれば生きていてほしいが、生存は絶望的だ。
なんせもう一年も行方不明になっているからな・・・。
それは置いといて俺は、今日も異花を探している。
いなくなった日から、ちょうど一年も経ったのだ。
毎日探していたが、今日いなければもう諦めるつもりだった。
そして暗くなってきた頃、毎日欠かさず異花の発見を願って通っていた神社で最後の参拝をした。
その時・・・俺は、光に包まれた。
・・・目を覚ますと、めっちゃ美人な女性がいた。
なんでも、この世界の創造神らしい。
そして、スキルを貰った。
《迷宮創造》だ。
そして、俺は転移した。
そこは、森の中だった。
暗くて、色々な動物の気配がした。
少し進むと、開けた場所にたどり着いた。
そこに座っていると・・・。
突然美女が現れて、話しかけられた。
「こんにちは、私はここの迷宮のダンジョンコアの化身です。貴方を迎えに来ました」
「迷宮?迎えに来た?」
どういうことだ?
「迷宮は、《迷宮創造》を持っている人のみが、ダンジョンマスターになることができます。どうぞ、ダンジョンマスターになって下さい」
「わかった、そのダンジョンマスターになろう」
「!ありがとうございます」
だが・・・。
「ああ、だが1つ条件がある」
「何でしょう?」
「好きです。付き合ってください!」
〜現在〜
「・・・そして、今に至る」
「・・・(ジト目)」
「な、なんだよ。なんか文句あんのかよ」
文句しか無いよ!
「あのねぇ、いきなり会った人に告白するなんて、どんな神経してんの?これだから、お兄ちゃんは、地球でモテなかったんだよ」
私の兄は恋愛経験0であった。
なんで付き合えるんだよ!
と言うか恋人ダンジョン!?
恋人はゲームですみたいな感じかな?
「で、でも今こうして、付き合ってるんだからいいだろ!」
「人の恋愛に口出しはしない。ただ、感動を返せよ〜!」
「なんだよ感動って」
それはね・・・。
「一年間も探してくれたのは、結構感動したんだからね。それにしても、向こうの一年がこちらの1000年だなんてね」
「ほんとに異世界って感じがするぞ!」
まあ異世界だもんね。
「それより、1つ間違った情報がある」
「間違ってなんかいないぞ、全部真実だぞ」
あいつのところが間違っている。
「創造神のところ」
「創造神?」
ニセ創造神さんのこと。
「そう、あのエリサだよ」
「へぇ、あの人エリサっていうんだ」
「あいつのせいで、転生したんだから」
「おかげじゃないのか?」
転生なんてしたくないわ!
「いや、あいつのせいで、地球に転生したんだから」
「は?地球に転生?逆じゃね?」
まあ私2回転生しているんで。
「いや、こっちで合ってる。そのせいで2回も転生したんだから」
「お前、元々この世界の人間だったのかよ、どうりで、子供の頃から神童だったわけだ」
そう、私は転生してから前世の記憶を受け継いでいたから、天才だったのだ。(自称)
「まあ人間じゃないけど」
「まさか・・・」
どのまさか?
まあそのまさかで大体あっていると思うけど。
「そのまさか、そう、元創造神で〜す」
「やっぱり神だったか」
創造神から精霊神まで神としての格が落ちた。
「あの偽創造神のせいで、殺されたんだから」
「もしかして訂正って・・・」
「そう、エリサは、”ニセ”創造神だからね」
ここ重要。
「はぁ・・・意味がわからない」
「まあ理解不能な案件だからね」
わかったら凄いよ。
「ところで、お前今なんて種族なんだ?」
「わからない。元神かなぁ」
これに関してはほんとに分からない。
「ステータス開けよ」
「開けられない」
ステータスがありません。
「なんで・・・そういえばステータスなかったな」
「そうだよ」
忘れないでほしいな。
「何でステータスがないのに迷宮の壁破壊できたりするんだよ」
「ステータスがないなら、疑似ステータスを作ろうっていう話」
「意味が分からねぇ」
わかってもらったら困る。
私が1時間も考えた結晶だからね。
「ところで、この迷宮って・・・」
「ん?どうした?」
「ダンジョンコアちゃん呼んできて」
お兄ちゃんの彼女さんを呼んできて。
「おーい、コアちゃ~ん」
「え、まさか名前そのまま?」
「おう」
「ネーミングセンス皆無かよ」
「ひどっ」
私の周りの男ってみんなネーミングセンスがないのかな?
すると、コアちゃんがやってきた。
「何でしょうか、旦那様」
「旦那?もしかして・・・まさか、もう結婚・・・?」
負けたぁ。
兄よりも長く生きたのに・・・。
「なわけないだろう」
「酷いです旦那様、もう婚約もして、あんなことやこんなこともしたのに・・・」
「!?!?!?」
ふぇ!?
もう男女の営みを・・・?
「違うんだ、異花、ちょっと止まらなかっただけで・・・」
すごい言い訳じゃん。
ちょっと私に一言言ってほしかったかも。
ひどいよね。
私のお義姉さんを私が知らないうちに決められるんだよ。
「おにぃちゃーん?」
「ひいぃい」
ちょっとね。
「大丈夫、こわくないよぉ。ほら、ここにオリハルコンの剣があるでしょ。これをね、つかってね、くびちょんぱするんだよ」
「こえぇよ」
これはね。
「うふふふふふふ。にげないでね、一発だから、せーの」
良くないね。
「ちょっと待ったぁ」
「ん?誰?」
誰ぇ?
「俺だよオレオレ」
「オレオレ詐欺かぁ。じゃあくびちょんぱ」
まあ知ってる声だけど。
「はぁ?何でそんなことになるんだ」
そう言って、私は剣をオレオレ詐欺野郎に向かって投げた。
すると、そいつは・・・剣を粉々にした。
「やっぱりそうなのね、久しいね。1000年ぐらい振りかな、魔神バデラメス」
「暴走が治ったか、異花」
こうして、私はバデラメスと再会した。
魔神さん再登場
時系列がめちゃくちゃですが、一応理由があるんで問題ないです。
ストックが尽きかけてます。
不味いです。
もう一つの方も本日更新です。




